2019年10月24日にリリースされたソニーの音楽管理ソフトMusic Center for PC 2.2.0の使用感について,気が付いたことから雑多に書いておく。
比較するのはMusic Center for PCのver.1。ver2.0と2.1はほとんど使っていないので。
起動はver.1より圧倒的に速くなった。比較にならない。Media Goほどは速くないが,十分使用に耐えるレベルになったと思う。
ver.1は,何分も待たされたあげく,曲が1曲も表示されないということがあったが,さすがにそんなことはなさそう。
曲の取込みは,ver.1からバージョンアップしたときにライブラリの取込みをしたときの様子からすると,それなりに速そうだ。もっとも,そもそも取り込むという概念がないMedia Goとは比較にならないが。
終了時の動作も,ver.1やx-アプリのように,曲を取り込んだあとはライブラリの更新に何十分もかかり,いつまでもパソコンをシャットダウンできないというようなバカなことはない。
ライブラリをリスト表示にしたときは,ver.2.0と違って,かなりまともになったと思う。文字や表示間隔が小さくなったので。この辺は,曲を大量に取り込んでいる人と,それほど取り込んでいない人では感じ方が違うのだろうが。
それよりよかったのは,並べ替えの自由度が増えたこと。
x-アプリやver.1では,並べ替えの条件は1つだけで,例えばアーティスト名で並べ替えた場合,その中でのタイトルの並び順はリリース年順にしかならなかった。
しかし,ver.2.2では,先にタイトル順で並べ替えておき,その後アーティスト名で並べ替えると,同じアーティストの中での並び順はタイトル順となる。先にリリース年で並べ替えをしてからアーティスト順にすると,同じアーティストの中での並び順はリリース年順となる。これは便利だ。
ver.2.1から,「ライブラリーからリンク切れで再生できない曲を一括検索する機能」が追加されていた。
自動で追随してくれるMedia Goだとなくてもあまり困らない機能なのだが,ファイルの管理方法が根本的に違うのでしょうがない。
フォルダやファイルの名前や場所を変更したときに便利そうだと思ったが,たいして便利ではなかった。
単に検索してフラグを付けるだけ。そのまままとめてライブラリから削除できる,といったことはできない。
なので,曲表示にして「情報」で並替えし,そこでまとめて削除するしかない。
ver.2.2の目玉は,ATRACファイルをFLACかAACに一括変換できることだろう。
まず,FLACとAACのどちらに変換した場合でも,完全にギャップレス再生に対応していることが確認できた(AACはウォークマンで再生した場合に限るかもしれないが)。Media GoでATRACからFLACに変換したときは不完全だった(曲間にノイズが入ることがある)ので,大きな進歩だ。
一括変換する場合,FLACかAACかと,返還後にATRACファイルを任意のフォルダに移動させるかどうかしか選べない。
AACでは,ビットレートは選べない。試しに256kbpsのATRAC 3 PlusのファイルをAACに変換した場合はビットレートが256kbbpになっていた。同じビットレートになるのか,256k固定なのかは,これから検証したい。
FLACへの変換がどのくらい使えるのか,やってみた。
まず,49,000曲ほどライブラリにある状態で,9,700曲ほどのATRAC3Plusのファイルを取り込んだ。取り込むのには10~15分ほどしかかからなかった。これがver.1やx-アプリなら,何日もかかっただろう。
この取り込んだATRACファイルを一括変換でFLACにしたところ,およそ半日(12~13時間)かかった。夜寝ている間にできるくらいなので,許容範囲だろう。問題は,途中でフリーズしないかだが,これも大丈夫だった。
しかし,変換後に問題が発生した。
アートワークが反映されないアルバムが大量に発生したのだ。というか,変換後はアルバムごとにアートワークが反映されるのだが,それが完了する前にプログラムが勝手に終了してしまったのだ。
一度ライブラリから削除し,改めて取り込めば大丈夫なので,アートワークのないアルバムを一旦全部ライブラリから削除し,取り込み直したら,同じ現象(プログラムが勝手に終了)が発生し,時間の無駄になってしまった。
そこで,作業を分割してやってみたところ,無事完了することができた。
編集機能はまだまだ改良の必要がある。
例えば,CDから曲を取り込む際や,取り込んだ曲を編集する際に,F2キーを押して曲名等を変更することができないのは,非常に不便だ。
いちいちプロパティを表示させないといけない。
曲の結合ができないのも不便。うちのカーナビはギャップレス再生に対応していないので,よく聴く曲は結合したファイルにし,ギャップなく聴けるようにしておきたいのだ。
だいぶマシにはなったが,まだまだMedia Goを手放すわけにはいかないことが分かった。
当面の使い方としては,リッピングと編集はMedia Go,再生はMusic Centerというのがいいと思う。
再生するにはリスト表示と柔軟な並替えができるのが非常に便利だし,何よりDESS HXが使える。
ウィンドウの上の方に大きな字で「曲」とか「アルバム」とかの表示が出るが,その右側が何もなく空いていて,もったいない。ver.1などのようにスペアナを出せるようにするか,せめてレベルメーターでも表示できるようにすると格好いいと思う。
それと,「停止」ボタンがなく,「一時停止」だけで,別なアルバムの中の曲を再生しようと思うとダブルクリックしないといけないのは不便な感じがする。ワンクリックで選択,再生ボタンで再生というのが普通じゃないだろうか。確かに,スマホのアプリなどではこういう流れなのかもしれないが,パソコンで使うには不自然に思う。
あとは,起動するたびにリストの一番上が出るのも変だ。前回再生(選択)していたアルバムのところが出るようにしてほしい。