サブスクの弱点

 もはやサブスク中心の音楽生活になり,CDは本当に欲しいものしか買わなくなって久しいが,「だからサブスクは信用できないな」という事態に遭遇した。

 

 今はAmazon Music HDを中心に,Spotifyを併用しているが,しばらく前に,クルレンツィス指揮のベートーヴェン交響曲(第5番と第7番)がAmazon Music HDから消えてしまった

 Spotifyでは配信しており,CDも廃盤になっていないようなので,何らかの事情でAmazonとの契約から外れたようだが,特に第5番はかなり話題になった録音で,今でも聴きたい人は多いと思うので,非常に驚いた。

 いつ聴けなくなるか分からないのがサブスクの問題点だという指摘は早くからされていたところだが,話題盤がこんなにも早くなくなるというのは意外だ。

 Amazonソニーの問題なのか,クルレンツィスの方の問題なのかも分からないし,たしかロシアのクリミア侵攻より前から聴けなくなっていたと思うので,それは関係ないと思う。

 

 

 クルレンツィスの話とは別に,むしろサブスクの方がCDを買うより有利な点もある。ハイレゾで聴けることだ。

 最近の録音だと,通常のCDでしか出ていないものが,サブスクだとハイレゾ(とDolby Atomos)で聴けるのが普通になっている。

 SACDで出ているものもあるが,SACDリッピングできないので外で聴くのには向かない。ユニバーサルが出しているBlu-ray Audioもまたリッピングできない。Blu-ray Audioを高音質で普通に再生できるようなユニバーサルプレーヤーはほとんど出回っていないので,どういう需要があってこういう出し方をしているのか,疑問でしかない。

 それなら,ベルリン・フィルが出しているように,CDを買うとハイレゾ音源がダウンロードできるようにしてくれた方がはるかにいい。

 これではますますCDを買わなくなってしまう。音楽業界が生き残っていくためにはCDを買わないとと思うのだが。困ったものだ。

 

【追記】2022.4.19

 Amazon Music HDでクルレンツィスのベートーヴェン(第5番,第7番とも)が復活していた。クレームが多かったのだろうか。

 それもあるが,少なくともクラシックについては,AmazonよりSpotifyの方が聴きたい曲が見つかるし,検索の精度も高い。