福島県立医科大学の次期理事長予定者選考について(その9)

 何事もなかったかのように竹之下理事長の3期目がスタートし,報道も何も全て,この件については終わってしまったかのようだ。

 オンライン署名は,これを書いている時点で1,800人弱に過ぎず,発信者の方の活動も終わったようだ。黒田元教授らの動向も全く聞こえてこない。

 「財界ふくしま」も6月号からは記事がなくなってしまった。S社との関係などについて突っ込んだ取材があるのかと期待したが,全くの期待外れに終わってしまった。

 ツイッターでも,学内の事情も含めて本件の疑惑について様々に発信されていた,某整形外科医の先生がこの件についてはとうに発信をやめてしまっている。どこかから圧力がかかったのではないかと思わざるを得ない。

 

 このように,騒ぎが収まったかと思われた5月半ばになって,整形外科の新しい主任教授の就任が発表された。

 九州大学医学部の准教授だった松本嘉寛氏である。

 新聞記事を見る限り,これまで福島とは縁のない方のようである。九州というと,竹之下理事長が鹿児島出身だということが思い起こされるが,知り合いだったのだろうか。それにしても,随分決まるのが早かったという感じがする。

 専門は骨軟部腫瘍とのことで,菊地先生と紺野先生が築いてきた腰痛の専門家ではないようだ。腰痛の福島県医大は,どうなっていくだろう。

 おそらく,菊地先生,紺野先生の弟子にあたる先生方のかなりの数が大学を離れるのではないかと思われる。医者の世界というのはそういうものだ。そこに,松本新教授がどれだけ九州から医者を連れてこられるか,というのがポイントになる。

 いずれにせよ,少なくとも一時的には福島県医大の整形外科は弱体化するだろう。

 外から,縁もゆかりもない教授を任命したというところに,理事長の意志が感じられる。菊地色,紺野色を排除しようということに違いない。整形外科の先生方はそのことを強く感じておられるだろう。気に入らないなら出て行けと言われているように感じるだろう。

 腰痛の福島県医大の伝統は,終わることになる。

 

 このブログでのこの件の記事も,これで一旦は終わることにする。結局,何も明らかにはならなかったし,マスコミは何も明らかにする気はないということが分かっただけだった。