今年後半にサービス開始とアナウンスされているSpotify HiFiだが,一向に出る気配がない。音楽サブスクの本命だと期待していたのだが,何が起きているのだろう。
邪推だが,980円では採算が取れないのと,急激に普及しつつある3Dオーディオへの対応をどうするかで,進めないでいるのではないか。
このまま,幻の本命で終わってしまうのか。
mora qualitasも全然動きがない。
SONYなのに,360 Reality Audioにすら対応していない。やる気がないとしか思えない。
まあ,mora qualitasとAmazon or Appleの2つと契約したところで,国内盤CD1枚分ほどにしかならないのだから,限られた固定ユーザーがいて,そういう人たちはAmazonかAppleにも加入しているから,細々と,最高音質だけを売りに続けていこうということなのだろう。
Apple Musicについては,致命的な問題が2つある。
1つ目は,これまでも指摘しているが,Windowsではハイレゾ/ロスレスに対応していないこと。iTunesも,ブラウザも,どちらも対応していない。ハイレゾ/ロスレスが聴きたいなら,Appleはありえないことになる。
もう1つは,Windows版のiTunesは,複数のユーザーで共用できないこと。
どういうことかというと,例えば,家族で1台のパソコンを共用(1つのアカウントで)している場合に,それぞれがApple IDを持っていてApple Musicを利用しているとすると,iTunesのユーザーを切り替えて利用することができないのだ。
最初に登録したユーザーをログアウトさせて,別なユーザーでログインし,音楽を再生しようとすると,appleid.apple.comにアクセスしてくださいとかいうメッセージが出て,再生できない。それらしいサイト0にアクセスしても,どうすればいいのかさっぱり分からない。iTunesを一旦削除してインストールし直してもダメ。何か方法がないかとググっても,Apple公式のどうでもいいサイトばかり大量に検索結果に出てきて,見つからない。下手なことをしてIDにロックがかかったり,iTunes自体が起動しなくなったりすると困るので,深入りせずに諦めた。
結局,最初に登録したID以外は,ブラウザでApple Musicを利用するしかないようだ。しかし,ブラウザではやはりいろいろ不便なので,困る。
そして,ブラウザでApple Musicを聴く場合,更に致命的なことがある。ギャップレス再生に対応していないのだ。
ということで,現時点では,ハイレゾ/ロスレスに対応したサブスクを選ぶとなると,Amazon Music HD一択ということになる。
3Dオーディオへの対応はAppleに遅れを取っていたが,つい先日,サービスが拡大されて,Appleと遜色なくなったようだ。
いろいろ不満もあることはあるが,ほかのサービスのような致命的なものではないので,Spotifyの無料プランと併用すればほぼ文句ない環境になる。
Spotifyには,やるのかやらないのかはっきりしてほしい。やらないと言ってくれれば諦めもつく。期待感を煽って焦らすだけでは,結局はユーザーを失うことになるだろう。