レコード芸術2020年6月号「私のベートーヴェン」

 まだちゃんと読んでないが,特集をペラペラとめくってみて,あまりに酷いので書いておくことにした。

 今月号の特集は「私のベートーヴェン-百人百様の音盤体験」だそう。

 レコ芸執筆者の書いた原稿と読者からの投稿をただ並べただけで,何の工夫もない。ここまで堕ちたのかと,怒りを通り越して悲しくなった

 まだ最初の何人かしか読んでないが,冒頭,「3枚選ぶのは難しい」とか言い訳を書いている方が何人かいて,その気持ちは分かるが,そんなこと百も承知で企画しているのだから,そんな言い訳は編集者がカットすべきだと思うのだが,そのまま載せてしまっている。こんなことを評論家に書かせること自体が恥ずかしいと思わないのだろうか。そんな言い訳は,読者をバカにしていることになるとなぜ思わないのか。読者だって無理な企画だと分かって読んでいるのだから,字数の無駄なだけである。

 そもそも,編集部は,一体,何を伝えたくてこんな安直な特集にしたのだろう。質が落ちているとしか言いようがない。

 

 

 ついでに,このところ気になっていることを書く。

 対談形式になっている記事で,よく「(笑)」が出てくるのだが,なぜそこで「(笑)」が入るのかさっぱり分からないものが多い。そういうのは,単にその場で対談者に笑みが出た程度ではないのかと思うのだが,字にすると全く伝わらない。

 そもそも,文章に「(笑)」などと書くのは,あまり勧められるものではないし,初めから文章として書かれたときに,筆者が自分で書くものであって,対談を字に起こしたような文章のときに,編集者がこれを入れるのはおかしい。

 意味が分からなくて気持ち悪いので,こういうのはできるだけやめてほしい。