新型コロナウイルス

 大阪府が休業要請に従わないパチンコ店の名前を公表するというので,かえって人が集まるのではないかと思ったら,案の定だったようだ。何せ相手がパチンコ店とパチンコ愛好家(?)である。大人しく言うことを聞くとは思えなかった。まして大阪である。ここに,公表という手段の限界がある。公表されて困るような業界なら効果があるが,そうでない相手には通用しないのだ。

 だが,これも一時的かもしれない。

 休業要請にあえて従わず,クラスターが発生したりすることを考えれば,とんでもないリスクを抱えたことになる。それは,お店だけでなく,行った人もだ。つまり,信用を失う(そもそも信用を売りにする業界ではないのだろうから,気にしないのだろうが)では済まないということだ。巨額の損害賠償リスクを抱えるということである。

 新型コロナウイルスに感染したことが確認されれば,徹底的に感染ルートを調べられるので,休業要請を無視したパチンコ店が発生源であることが分かれば,巨額の損害賠償が請求され,認容される可能性がある。マスコミは,公表を批判する有名人のコメントを紹介するだけでなく,こういうリスクがあることを言うべきだ。

 パチンコ店だけでなく,あえてそこに行った人も,二次感染させたことが分かれば,巨額の損害賠償請求を受けるリスクを抱えたことになる。

 混雑している観光地が紹介されたりもしているが,混雑していると思って行く人は少ないだろう。おそらくは,人がいないだろうと思って行ってみたら混雑していた,ということなのだと思う(思いたい)。が,パチンコ店に行くのはそれとは違うのだ。

 

 

 テレビでも新聞でも雑誌でも,いちいち検査に「PCR」と付けるのはなぜなのだろう。現状,ほかに検査方法はないのだから,あえて何かと区別するために付ける必要がある場面でなければ,わざわざ「PCR」と付ける必要はない。

 いちいち「PCR」と聞かされるのにもうんざりしてきた。

 挙げ句には,ワイドショーのコメンテーターなんかが,散々「PCR検査」「PCR検査」と言った後に,「で,PCRって何なの?」とか言ったりしている。

 あまり「PCR」ばかり言うと,「PCR」に変なニュアンスが付いて,言葉狩りが始まるのではないかと危惧する。

 特に必要がないなら,単に「検査」と言えばいい。

 

 

 テレビを見ていると,政治家や役人のしているマスクが気になるようになった。というのも,変な柄のマスクをしている人が目立ってきたからだ。

 いい年したおっさんが柄物の布マスクをしているのは,見ていて気持ちが悪い。しかも,何回か洗ったのか,よれよれだったりすると尚更だ。

 もっとも,これも慣れかもしれない。

 黒いマスクだって,かなり気持ち悪かったが,多少は見慣れてきた。昔は白いワイシャツを着ている人しかいなくて,色物のワイシャツを着ている人がいるとすごく変に見えたが,最近は白いワイシャツの方が目立つくらいだ。マスクもそうなるかもしれないが,やはり今は気持ち悪い。

 それよりも,政治家なんかの場合は,布マスクをしているか,使い捨てマスクをしているかに注目した方がいいのかもしれない。安倍総理のように,頑なに小さい布(ガーゼ?)マスクに固執している人もいる。小さすぎて顎が完全に出ているのはいただけない。布マスクにこだわるにしても,大きめのをするべきである。あんなマスクでもいいんだというメッセージを発信していることになるからだ。

 政治家(自治体の首長もそう)が布マスクをしているのは,そこにこだわりがあるからなのだろうが,手に入るならできるだけ使い捨ての不織布マスクをすべきなのは言うまでもない。最近は多少(値段は高いが)不織布マスクも流通するようになっているので,やはりリーダーたるべき人は感染予防により効果のある(と言われる)不織布マスクをすべきだと思う。

 布マスクの素材もいろいろなのだろうが,昔売っていたようなスカスカのガーゼマスクに近いものでは効果はほとんどないだろう。使い回しということを考えれば,効果があって長持ちする(縮みにくい)素材を積極的に紹介すべきだと思うが,聞いたことはない。どんな布でもいい,というようなメッセージを流すのはよくない。古着を加工して作ったりしている人もいるようだし。

 そんな中で,個人がマスクを作っていろんなところに寄附するのが美談として報道されているが,そのまま使って大丈夫なのか,非常に心配である。その方は純粋に善意からやったことなのだろうが,衛生的な環境で清潔な布を加工したのかどうかも全く分からないものをいきなり口に当てるのは,かなりリスキーである。だからといって,一度洗ってから,というのも,数が多くなると難しくなるだろう。学校などでもらって,生徒に配るときに,「一度洗濯してから使いましょう」などと言うのも,寄附してくれた方にそんな話が伝わるかも,と思ったら言いづらい。やはり,専門の設備もない人が安易に他人に配るのは気を付けた方がいいと思う。善意が仇になるということはよくあることだから。それを簡単に美談として流すマスコミも,よく考えるべきだ。

 

 ということで,当面は布マスクはしないつもりだ。乾燥予防ぐらいにしか効果はないし,特に柄物は気持ちが悪いから。売っているものだって,きちんと衛生的な環境で作られたかどうか分からないものばかりだ。

 他人に大量に配った布マスクから感染が拡大した,なんてことのないことを祈る。