ニューイヤー 松田華音ピアノリサイタル(福島テルサ)

 2019年1月12日に福島テルサFTホールで開かれた,松田華音ピアノリサイタルに行った。

 

 500席弱の小さなホールで,館内放送では「本日は満席」とのアナウンス。しかし,実際はガラガラ。東北電力が特別賛助として名前を出しているので,社員の皆さんが,買わされたのに行かなかったのかもしれない。何とも残念だ。

 

1.モーツァルト:ピアノ・ソナタ第8番イ短調K.310

2.シューマン:謝肉祭Op.9

(休憩)

3.ラフマニノフコレルリの主題による変奏曲Op.42

4.チャイコフスキー:18の小品Op.72より

(2.子守歌 4.性格的舞曲 5.瞑想曲 13.田舎のこだま 14.悲歌 18.踊りの情景)

(アンコール)プロコフィエフ:「ロメオとジュリエット」からの10の小品Op.75~僧ローレンス

 

 松田さんは黄色の鮮やかなドレスで登場。

 最初の音を聴いてあれっと思った。音が悪い。

 元々クラシック音楽用のホールではなく,天井などを見るとここでコンサートをやるのはどうかと思うほど。ピアノはスタインウェイだが,どのくらいのものなのか分からない。聴いていて気の毒になってきた。

 それでも慣れてきたのか,尻上がりによくなったと思う。

 曲との相性も,後半のロシアものの方がいいように思った。

 ラフマニノフチャイコフスキーも比較的珍しい曲。それでもまだラフマニノフは録音もあるし,知られている。主題はコレルリなのであるが,変奏に入るとラフマニノフでしかない音楽になり,十分聴き応えはある。

 チャイコフスキーは最晩年のかなりマイナーな曲。CDも全曲はプレトニョフの2種類くらいしかない。しかし,チャイコフスキーらしいメロディアスで素敵な曲が続く。初めて聴いたが,好きになった。こういう曲を教えてもらえて感謝。

 早速CDを買おうと思ったら,プレトニョフの旧盤は既に廃盤のよう。新盤も国内盤は廃盤。輸入盤しかなかった(グラモフォン 477 5378)。ナクソスのHPを見てもプレトニョフの新盤しか全曲盤は出てないので,本当にマイナーなのだと分かる。そのプレトニョフの新盤も,拍手入りのライヴ。

 松田さん,是非全曲録音してください。すぐ買います。

 アンコールは1曲。何かしゃべったりということもなく,あっさり終わった感じ。

 終演後はCD購入者へのサイン会。

 曲が終わるごとに下品に叫ぶブラボーオヤジが1人いて興ざめだった。迷惑だと思わないのか。思わないから叫ぶんだろうが。演奏者も,ああいうのは嬉しいんだろうか。