我が町バンザイ

 古いカセットテープを整理していたら,1985年頃にラジオ福島でやっていた「我が町バンザイ」という番組のテープが出てきた。

 その頃,中学生を中心にかなり流行った番組なので,覚えている人も多いと思う。

 

 いつから聞き始めたか覚えていない(最初からではない)が,1984年10月8日から,東北六県のAMラジオ各局で放送が始まった番組で,終了時期は不明だが,残っていたテープでは,1986年夏頃のものが一番新しく,おそらくそれから1~2年以内くらいに終了していたのではないかと思う。

 毎週月曜日から金曜日の午後9時50分から10分間の番組で,リスナーが自分の住んでいる市町村の自慢話を書いて送り,それを読むというスタイルの番組だった。自慢話でなく,どこかの市町村の悪口を書いてよこす場合も多く,今だったらとても放送できないなという内容もあった。

 大塚製薬の提供で,いい内容だと「カ~ロリーメイト」というジングルが出て,ブロックタイプ6箱またはドリンクタイプ6缶がもらえ,さらに「バンザ~イ」などのジングルも出ると,TシャツやBパック(?)などももらえた。後からは週1回の「ポカリデー」もできて,その日は「ポカリスエ~ット~」のジングルが出るとポカリスエットが6缶もらえた。

 

 ラジオ福島のパーソナリティーは,福島市で活躍(?)していたバンド「弁慶と牛若丸」のリーダー高橋雅仁さんで,独特の語り口が人気だった。ほかの5県のパーソナリティーは,みなラジオ放送関係者らしく,AM放送のアナウンサーっぽい喋りで,高橋さんだけが非常に浮いていた。というか,福島県民からすると,ほかの5県の方が変だったわけだが。

 思うのだが,なぜAMラジオのアナウンサーというのはああいう独特の声を出すのだろう。ちょっと鼻にかかったような,不思議な発声をする。おそらく,ノイズの多いAMでもよく聞き取れるように編み出された発声方法なのだろう。ちょっと違うが,昔の車掌さんのようだ。なので,ラジオ放送じゃないところでAMラジオアナウンサー出身の方の話を聞くと,非常に違和感を感じてしまう。

 そんな人たちが,発声はAMラジオなのに,それぞれのお国なまりでしゃべるので,ますます違和感が大きかった。それに対して高橋さんの喋りはよかった。

 

 テーマソングは,弁慶と牛若丸の「ふる里ふくしま」という歌。これが,1985年8月からリニューアルされて雰囲気が随分変わってしまい,とってもがっかりしたものである。絶対古い方がよかった!どこかで古い方だけでいいから音源が手に入らないだろうか。

 最近YouTubeで,震災後に弁慶と牛若丸がこの歌を歌っている姿を見つけ,お元気そうでとてもうれしかった。

 このバンドは,高橋さんの3歳下の弟の剛さんと2人でやっているバンドで,1985年と1986年に開かれたファンの集いでは,ライブもやっていた。あの当時,結構年が行ってるんだろうなと思ったものだが,高橋さんは30代前半だったという。

 ということは,今は60代半ばだろうか。これからも元気で活躍していただきたい。

 

 そのファンの集いでは,読まれなかったハガキをタイムカプセルに入れて,21世紀になったら開ける,と言っていたのだが,やったのだろうか。その中には自分の出したものも何枚かあったはずなので,すごく気になる。

 

 もう一つ思い出深いものがあった。1985年の夏頃のポカリスエットのCMで,杏里が歌うデジャヴーという歌が使われていた。どうも,レコード化はされなかったらしいのだが,とってもいい歌で,これも何とかならないかなと思っている。何しろ,作詞が泉麻人,作曲が井上大輔。井上さんの作曲が悪いわけがない。音源が残っていたら,ぜひ商品化してほしい。

 

 続く,かもしれない。