アストラゼネカのせいで献血ができない

 アストラゼネカ製の新型コロナウイルスワクチンを接種してしまうと献血できない状況が続いている。

 

 日本赤十字社のホームページでは,アストラゼネカ社製ウイルスベクターワクチン※などを接種された方は、現時点では献血をご遠慮いただいています。(※現在、接種後の献血基準については厚生労働省で検討中です。)」と書かれていて,いつできるようになるのかの見通しも示されていない。

 

 外国では既に献血可能となっているところもあるので,まさしく,厚生労働省の検討が遅れているからだろう

 アストラゼネカ製ワクチンを打っている人が少ないので,検討が後回しにされているのではないだろうか。また,アレルギーのある人などに優先して回したので,アストラゼネカ製ワクチンを接種した人に献血する人は少ないと思われているのではないか

 しかし,ファイザーやモデルナの供給が遅れていたために,早く打てるアストラゼネカを選んだ人もいるし,副反応が小さいという情報もあったのでそのためにアストラゼネカを選んだ人もいる。

 Twitterなどでは,アストラゼネカのワクチンが危ないから献血できないのだなどという「誤った情報」も流されている。早く献血できるようにしないと,インチキ情報が徐々に拡散されるおそれもある。

 

 検討すべきことがたくさんあって後回しにされているのかと思うが,とにかく早く対応してほしい。また,マスコミが全然このことを取り上げないのも不信感を煽る結果になっている。正確な情報を,速やかに国民に知らせるべきだ。

 

 

【追記】

 2022年4月1日から,アストラゼネカ製のワクチンを打った人も,6週間たてば献血できるようになった。

 6週間というのは長いが,いずれ短くなるのだろうか。もっとも,もう日本ではアストラゼネカ製はm RNAワクチンにアレルギーがある人以外は打つことがないだろうけど。

 新しくノババックスのワクチンが承認され,早ければ5月下旬から出回るようであるが,献血はできるのだろうか。今のところ情報はない。

 

 

サブスクで完全に変わった音楽生活②

 ①を書いてから随分経ってしまった。

 このままだと年を越せないので,とりあえずまとめておく。

 

 2021年は本格的にサブスクを利用するようになった1年だった。①で書いたような音楽生活がまるっと変わってしまったと言っていい。

 

 まず,エアチェックをしなくなった。サブスクに移行するのにあたり,MUSIC BIRDを解約した。このおかげで,エアチェックしてパソコンに取り込むまでの作業時間が大幅に減り,音楽を聴く時間が増えた。

 

 次に,CDを買わなくなった。サブスクで聴いたりして,本当に必要なものだけ買うようにした。最新録音の多くはハイレゾで配信されているので,音質の劣るCDを買うことは躊躇するようになってしまった。

 CDなどのメディアを持っていたという欲求は相変わらず強いが,ハイレゾじゃないのに,とは思うようになってしまった。

 

 そして何と言っても,聴いてみたい曲の多くがすぐ聴けるようになったのが大きい。雑誌やネットで聴いてみたい曲を見つけても,これまでは簡単には聴けなかった。すぐCDを買うというのはよほどの場合であって,まずはMUSIC BIRDやFMで放送されるのを待つしかなかった。最新録音だと放送される可能性は高いが,古い音源だといつ放送されるか分からず,結局聴けずじまいで終わることが多かった。

 しかし,サブスクだと,あればとりあえず聴ける。目的のCDでなくても,同じ曲なら聴ける可能性はかなり高い。

 

 

 とにかく,音楽を聴く時間が増えた,というのが結論だ。

 これから先,CDを買いためたところでどれだけ聴けるかは分からない。それよりもサブスクで聴きまくった方がいい。音質だって,FMからカセットテープに録音していた頃に比べれば,天と地の差がある。

 

 もう,戻れない。サブスクは最高だ。

 

 

mora qualitasサービス終了&Deezer HiFi

 今日,mora qualitasが来年(2022年)3月29日をもってサービスを終了するとの発表があった。

 「やっぱり」というのが一番の感想だが,応援していたので残念だ。

 ソニーの「黒歴史」がまた1つ増えた。

 正直なところ,オーディオ評論家たちが絶賛する音質の良さは,AmazonAppleと比べて違いが分かるような環境で聴いていないので,分からずじまいだった。

 サービス終了の直接の原因は,一番は,曲数がさっぱり増えないことだったと思う。サブスクをいくつか利用して比較しているが,とにかく,聴きたい曲がないことには何も始まらない。

 この致命的な状況に対して,ソニーがてこ入れをしようという気配はまるで感じられなかった。

 金額の高さもあったと思う。AmazonAppleの倍も違うのだから。

 

 一体,ソニーは何をやりたかったのだろうと思う。

 mora qualitasの担当部署の方たちの無念さはいかばかりかと思う。

 経営陣が本気になって投資をしなかったからだろうから。曲数が増えない以上,ユーザーが増えるはずもなく,値段では全く勝負にならず,アプリも使いづらいと酷評され,と,音質以外には何もメリットがなかった。

 なぜか,自前の技術である360 Reality Audioにも対応させてもらえなかった。

 これからソニーはどこへ向かうのか。また迷走が始まったのか。

 

 

 

 と,ソニーをこき下ろしつつ,先日,ソニーのワイヤレススピーカーSRS-RA3000を買った。360 Reality Audioに対応したスピーカーである。

 これはとてもいいスピーカーだ。非常に満足している。

 せっかくなのでSRS-RA5000が欲しかったが,値段は倍くらいするし,何よりデカい。場所を取り過ぎるので,SRS-RA3000にした。

 

 Amazon Music HD,Deezer HiFi,nugs.netという,360 Reality Audioに対応しているサブスクの無料体験が付いてくるので,順次試している。

 まず,nugs.netだが,洋楽のライヴしかないので,全然聴いていない。無料期間が終わる前に解約するだけになっている。

 

 次に,Deezer HiFiを試している

 日本ではさっぱり話題にもならないフランスのサブスクだが,やはり,日本の曲が圧倒的に少ないので,それも当然だと思った。期待したが,これも無料期間が終わる前に解約だ。

 とはいえ,nugs.netよりは全然マシなので,いろいろ360 Reality Audio対応の曲を聴こうとしている。ところが,それがなかなか難しい。

 そもそも,対応している曲が少なすぎ。クラシックはほとんどない。J-POPもさっぱり。ほとんどは洋楽だ。それより何より,Deezerのアプリから対応曲を探すのがとても難しい。

 そのためかどうか知らないが,360 by Deezerという別なアプリが用意されている。ここにある曲は360 Reality Audio対応の曲だというのだが,実際は違っていた。非対応の曲が多数混ざっているのだ。混ざっているどころか,アルバム1枚まるまる非対応だったりする。

 クラシックだと,ネルソンスのニューイヤーコンサート2021が出てくるのだが,全曲非対応だ。ほかにもある。

 さらに訳が分からないのは,対応している曲は一覧の画面で曲ごとに「360 Reality Audio」と表示があるのだが,そう書いてあっても非対応の曲があるのだ。ハーディング指揮のウィーン・フィルのサマーコンサート2021がそうなのだが,ネルソンスのニューイヤーと違ってちゃんと「360 Reality Audio」と表示されるのに,実際に再生してみると,対応していない(スピーカー本体のランプが点くはずなのに,点かない)。

 結局,クラシックで本当に対応しているのは,ブーレーズバルトーク管弦楽のための協奏曲ほかのアルバムくらいのようだった。しかし,一部の曲は非対応だし,何より古い音源で,360 Reality Audioの実力を発揮できる曲なのか疑問だ。

 どうせなら,最新の録音で聴いてみたい。

 

 そのほか,まだ使いこなしていない状態だが,Deezer HiFiには不満がいっぱいある。まず,ロスレス音源なのかどうかが全然分からない。ハイレゾ音源は配信していないようだが,一部の曲はロスレスのはずなのに,そうかどうか,全然分からないのだ。

 

 もう一つ大事なことがあった。なぜか,現在のところ,Windows版のデスクトップアプリがダウンロードできないのだ。Deezerのホームページにはリンク先が出ているのだが,リンク先のMicrosoft Storeに行くと,「Deezer Musicは現在購入できません」となっていて,ダウンロードも何もできない。googleで検索しても,そもそもDeezerの情報は少なく,何も引っかからない。

 ま,日本では頑張ろうという気がないんだなというのがよく分かる。

 

 

 本命と思っていたSpotify HiFiがいつまでも始まらないので,当面はSRS-RA3000に付いてきた無料体験を利用して音楽を楽しもうと思っている。とはいえ,あっちこっち乗り換えるのは,かなり面倒になってきた。数は少ないが,ライブラリやプレイリストに入れた曲をまた登録し直すのは,検索機能がどのサービスも最低なので,なかなかのストレスになる。

 現状だと,最後はAmazon Music HDに落ち着きそうだが,無料体験期間が終わる頃はどうなっていることか。

 

 

古典配置をやめたペトレンコ

 ベルリン・フィルの今シーズン開幕公演となる,キリル・ペトレンコ指揮によるシューベルト交響曲第9番(第8番)ほかの公演(2021年8月27日)を見て驚いた。シューベルトなので当然古典配置(対向配置)で演奏するとばかり思っていたが,そうでなかったからである。

 その後も,今シーズンは古典配置によらずに演奏している。

 これまでも,曲によっては古典配置でなかったが,ベルリン・フィルの常任指揮者になって以降,基本は古典配置だったと思う。

 それが,改めて調べてみると,2020年1月25日のマーラー交響曲第6番を最後に,古典配置をやめていた。

 

 オーケストラ側の事情で古典配置をやめたのでないことは,最近でもブロムシュテットバレンボイムが古典配置によっていることから分かる。

 どういうことで古典配置をやめたのか,非常に興味がある。もしかしたらインタビューで話しているのかもしれないが,見ていないので分からない。

 

 ベルリン・フィルで古典配置は違和感があったので,個人的にはいいと思うのだが。第一ヴァイオリンの後ろにコントラバスが並ぶと窮屈に見えるし,逆に反対側は変に空いてしまう。ベルリン・フィルのように超強力な第一ヴァイオリンとコントラバスを持つオーケストラだと,バランスが悪いのではないか。

 

 城所さんあたりがきちんとインタビューして,考えを聞いてほしい。

 

 

Spotify HiFiはまだか。現時点ではAmazon一択!

 今年後半にサービス開始とアナウンスされているSpotify HiFiだが,一向に出る気配がない。音楽サブスクの本命だと期待していたのだが,何が起きているのだろう。

 邪推だが,980円では採算が取れないのと,急激に普及しつつある3Dオーディオへの対応をどうするかで,進めないでいるのではないか。

 このまま,幻の本命で終わってしまうのか。

 

 mora qualitasも全然動きがない。

 SONYなのに,360 Reality Audioにすら対応していない。やる気がないとしか思えない。

 まあ,mora qualitasとAmazon or Appleの2つと契約したところで,国内盤CD1枚分ほどにしかならないのだから,限られた固定ユーザーがいて,そういう人たちはAmazonAppleにも加入しているから,細々と,最高音質だけを売りに続けていこうということなのだろう。

 

 Apple Musicについては,致命的な問題が2つある。

 1つ目は,これまでも指摘しているが,Windowsではハイレゾ/ロスレスに対応していないこと。iTunesも,ブラウザも,どちらも対応していない。ハイレゾ/ロスレスが聴きたいなら,Appleはありえないことになる。

 

 もう1つは,Windows版のiTunesは,複数のユーザーで共用できないこと。

 どういうことかというと,例えば,家族で1台のパソコンを共用(1つのアカウントで)している場合に,それぞれがApple IDを持っていてApple Musicを利用しているとすると,iTunesのユーザーを切り替えて利用することができないのだ。

 最初に登録したユーザーをログアウトさせて,別なユーザーでログインし,音楽を再生しようとすると,appleid.apple.comにアクセスしてくださいとかいうメッセージが出て,再生できない。それらしいサイト0にアクセスしても,どうすればいいのかさっぱり分からない。iTunesを一旦削除してインストールし直してもダメ。何か方法がないかとググっても,Apple公式のどうでもいいサイトばかり大量に検索結果に出てきて,見つからない。下手なことをしてIDにロックがかかったり,iTunes自体が起動しなくなったりすると困るので,深入りせずに諦めた。

 結局,最初に登録したID以外は,ブラウザでApple Musicを利用するしかないようだ。しかし,ブラウザではやはりいろいろ不便なので,困る。

 そして,ブラウザでApple Musicを聴く場合,更に致命的なことがある。ギャップレス再生に対応していないのだ。

 

 

 ということで,現時点では,ハイレゾ/ロスレスに対応したサブスクを選ぶとなると,Amazon Music HD一択ということになる。

 3Dオーディオへの対応はAppleに遅れを取っていたが,つい先日,サービスが拡大されて,Appleと遜色なくなったようだ。

 いろいろ不満もあることはあるが,ほかのサービスのような致命的なものではないので,Spotifyの無料プランと併用すればほぼ文句ない環境になる。

 

 

 Spotifyには,やるのかやらないのかはっきりしてほしい。やらないと言ってくれれば諦めもつく。期待感を煽って焦らすだけでは,結局はユーザーを失うことになるだろう。

 

 

Spotify HiFiはいつ出るのか

 Spotify HiFiが2021年後半に開始されるという発表があったのは,2月23日のことだった。

 その時のAV Watchの記事を見ると,詳細は近日発表されるとのことだったが,7か月以上たっても詳細は明らかでないし,既にApple Musicに先を越されてしまっている。

 

 いくつかの音楽配信サービスを利用してみて,Spotify HiFiが本命ではないかと思っているが,一向に出る気配がない。AmazonApple,moraそれぞれに弱点があり,それは,それぞれ背負っているものがあるからではないかと思っている。Amazon Music HDはAmazonの,Apple MusicはAppleの,mora qualitasはソニーのそれぞれ一部であり,例えばAppleの場合はApple製品で受けられるサービスを最優先するという使命があるため,AndroidWindowsだと不満が大きい。mora qualitasは,いつも問題になるソニー内部の縦割りの弊害に飲み込まれてしまっているように思われる。Amazon Music HDの場合は,Amazonの売上至上主義とでもいうべき経営理念がサービスをダメにしているように思われる。

 そんな中,しがらみが一番少なく,本当に音楽が好きな人向けに,どんなプラットフォームでも等しく対応しそうなのがSpotifyではないかと勝手に思っているのだが,どうだろう。Spotify HiFiのサービスの詳細が分かれば,その辺もはっきりすると思う。

 

 おそらく,金額やハイレゾの音質,空間オーディオなどについて,なかなか方針が決まらないのではないかと思うのだが,後発ならではの魅力がないと,これまでSpotifyを支持してきたユーザーを一気に失うことにもなりかねない。

 

 今,期待しているのは,金額は先発2社並み(でないと誰も受け入れないだろう)で,どんな機器でもロスレス/ハイレゾで聴くことができ,幅広い機器で簡単に空間オーディオが利用できる,ということである。

 

 一日も早く,サービスの内容と開始時期を明らかにして,ユーザーを安心させてほしい。

 

 

DATの思い出

 本屋で「ステレオ時代」Vol.19がDATを特集しているのを見つけたので,買ってしまった。

 

 1990年代の半ばから10数年間,DATをメインの録音機として使っていた。

 パイオニアのものを2台利用し,今も1台は現役である。もっとも,録音には使っていない。テープがないからだ。

 

 機械は時々使わないとダメになるので,なるべく録りためたテープ(700本以上ある)を再生するようにしているのだが,一時期ほとんど電源も入れない時期があって,かなり久しぶりに再生してみたところ,ノイズが入ってダメなテープが多数あることが分かった。

 

 いろいろ試してみると,比較的新しいアクシアのテープが軒並みダメなことが分かった。古いものの方が,大丈夫なのだ。しかも,古い機種で録音したものの方が安定している。

 ある時期から,アクシアのテープが一番入手しやすく,10本セットだと箱に入っていて,インデックスも使いやすいものだったので,半数以上がアクシアのテープなのだが,どの辺からダメなのか正確には分からないものの,かなりの本数がノイズが出てダメな状態である。

 

 DAT自体はメーカーの修理期間も過ぎているので,パイオニアに聴いても無駄だろうと思うのだが,何とかならないだろうか。

 

 

サブスクで完全に変わった音楽生活①

 サブスクがメインで音楽を聴くようになって,半年以上が経った。

 これまでのエアチェック中心の生活から,全く変わってしまったと言っていい。

 

 サブスクにすぐ手を出さなかったのは,音質の問題が一番大きかった。ロッシー音源だったからだ。もちろん,SPACE DiVAと同等以上のスペックであり,FMとは比較とならないわけだが,どうも気が進まなかった。

 その一方で,ハイレゾにも対応し音の良さが売りが売りのmora qualitasは,曲が少なすぎて話にならなかった。

 mora qualitas,Amazon Music HD,Spotifyを試用してみて,サブスクメインに移行したのは,実は経済的な問題が大きい。そして何より,Amazon Music HDが非常に多くの曲でCD以上の音質で提供するようになっていたというのがある。

 そこで,ついにMUSIC BIRD(SPACE DiVA)の契約更新時期に合わせて解約することにし,サブスクメインに移行した。

 サブスクは,上記の3つを試用してみたが,まだどれに絞るか結論は出ていない。とりあえず,Apple Musicの無料期間終了後はAmazonにしようと思っているが,本命はSpotify HiFiではないかとも思っている。

 お気に入りの曲が増えると面倒になるが,サブスク間の移行はそれほど面倒ではない。この辺は,サービスが終了すると大変なことになる電子書籍業界とは違うところだ。

 

 

 さて,音楽を本格的に聴くようになってから,その中心は常にエアチェックだった。エアチェックとはすなわちラジオから録音することなので,当然FMということになる。クラシックならNHK一択だ。

 昔は,毎週(確か,土曜日)必ず新聞に一週間のNHK FMの詳しい番組表が掲載されていた。今では考えられないが,1面まるごとNHK FMの番組表だったのだ。

 それを隅から隅まで見て,録音したい曲に印をつけ,タイマーをセットするか,タイマーではうまく録れなそうなときは必ずその時間にステレオの前にいる,ということが習慣になった。

 

 録音するのは,カセットテープである。テープの種類がたくさんあり,録音可能時間もいろいろで,当然それらによって値段が変わってくるので,テープ選びは非常に重要だった。

 初めのうちは,もちろん,ノーマルのそんなに高くないのしか買えず,それを大事に使っていた。だんだん小遣いが上がるにつれて,高級なテープが買えるようになり,それがとてもうれしかった。買う前には,新聞でチェックした録音する曲に合わせて,必要な長さのテープの種類を書き出しておくのも大事な習慣になった。

 気に入っていたのは,TDKのカセットテープだった。まず,デザインが気に入っていた。種類も多かった。音質も,使っていたカセットデッキとの相性もあるのか,TDKが一番音がいいような気がした。曲名を書くインデックスのデザインも非常に重要で,これもTDKのが一番よかった。初めは手書きだったのが後からはワープロ印刷になったが,印刷しやすいのもTDKだった。テープに貼るシールの大きさやデザインも大事で,これもTDKがよかった。

 カセットテープの販売末期には,TDKはだんだん種類が減ってきて,入手しづらくなったりもし,ほかのメーカーのものを買わざるを得なくなって,残念だった。

 カセットテープについて書くとまだまだ書けるが,音楽の聴き方とはズレてくるのでこのくらいにしておく。

 CDを買ったりするたびに,同じ曲が入っているカセットテープは処分してきたが,それでもまだかなりの本数のカセットテープがあって,処分できずに置いてある。

 

 カセットテープの次に録音に使ったのは,DATである。これもすごい数のテープがまだあって,聴けるのだが,残念ながらそのほとんどを占める特定のメーカーのテープがなぜかノイズが出てまともに聴けなくなってしまい,困っている。

 DATは,CDなどデジタル音源もそのままの音質で録音できるという,当時としては夢のような機械だった。やはりメインはFMのエアチェックだったが,レンタルで借りてきたCDをデジタルダビングできたので(1世代だけ),非常にありがたかった。

 標準的な120分テープの場合,LPモードで倍の240分まで録音できるというのもよかったが,FMの場合はなぜかノイズが大きくなるという現象が発生し,途中からはLPモードは使わなくなった。DATはカセットテープからの乗換えだと使い勝手に違和感がなく,移行しやすかった。あらゆる面でカセットテープの進化形と言え,カセットテープの録音で覚えたいろいろな技がそのまま役に立つのがよかった。

 

 DATと併用して,一時期MDもエアチェックに使ってみたが,音質の悪さと録音時間の短さがあり,DATから乗り換えるには至らなかった。

 ディスクなので使い勝手は抜群によかったのだが。ケース入りで保管もしやすく,大きさも手軽で,Hi MDを超える大容量のもの(=音もいい)が初めから出ていれば,DATに取って代わっていただろう。

 

 DATの次にエアチェック機となったのは,ヤマハのHDD/CDレコーダだった。これは今も現役だが,HDDがIDE接続なので,壊れたらもうおしまいである。

 HDDに録音して編集し,CD-Rに焼くというのは画期的だったが,テープメディアに録音していたときより格段に手間がかかるようになったのも確かだ。曲の前後を無駄なくカットし,正確にトラック分けしないといけないからだ。テープだと多少曖昧でもよかった作業が,そうではなくなってしまった。CD-Rにインクジェットプリンタで曲名などを印刷するのも手間だった。

 そのうち,パソコンでリッピングして保存するようになると,CD-RではなくCD-RWを経由してパソコンにリッピングするようになった。これまた手間で,いい加減疲れていたということはある。音楽を聴くよりも,編集してパソコンに取り込むのに時間がかかるようになってしまった。結局,エアチェックしたのはいいが,全然聴かないものも増えてしまった。そのうち聴こうと思っても,音源がたまる一方で,エアチェックした直後に聴かないと,ずっと聴かないことになってしまった。

 

 

 ここまではエアチェックする機器の話だったが,次に,音源の話に移る。

 

 最初に書いたとおり,まずはとにかくFMだった。民放は曲にDJの声がかぶったりするし,そもそもクラシックはほとんど放送されないので,NHK以外はほとんど聴かなかった。

 FM以外だとテレビ放送ということになるが,衛星放送がない頃は,N響アワーと芸術劇場,そして題名のない音楽会くらいしかクラシック音楽が聴ける番組はなかった。年に何回か教育テレビの特番で海外オケの演奏会が放送されたりもしたが。

 

 その後,衛星放送が普及してからは,NHKのBS2がFMと並ぶ音源となった。デジタル化されてからは,現在のBSプレミアムだ。

 そして,WOWOWでは,ベルリン・フィル定期演奏会を定期的に放送していた時期があった。ベルリン・フィルの放送がなくなると(デジタル・コンサート・ホールを始めたからか?),ウィーン・フィル定期演奏会が放送された。今では,ウィーン・フィルというと,来日公演のほかはニューイヤー・コンサートとシェーンブルン宮殿のコンサートくらいでしか目に(耳にも)することがなくなってしまったが,定期的に定期演奏会がテレビで見られるという素晴らしい時期があったのだ。

 ちなみに,ニューイヤーはともかく,シェーンブルンの方は,演奏の質も低く,毎年CDでDVDで出すというのはどうかと思う。はっきり言ってお遊びでしかなく,毎回がっかりさせられる。そんなのを出すくらいなら,もっとCDを出すべきだ。ベルリン・フィルはその辺しっかりしていて,ヴァルトビューネの野外コンサートをCDで出したりはしない。イベントとしての価値はあっても,芸術的な水準を満たしていないことをよく分かっているからだろう。

 ついでに言うと,NHKで放送すると,日本でデジタル・コンサートホールでは見られなくなる,というのは何とかしてほしい。放送して1年以内とかならまだ分かるが,しょちゅう再放送するわけでもないのに(NHKオンデマンドではずっと見られるのだろうか,確認していないが)ずっと見られないというのは困ったものだ。NHKの録画が失敗したときは,どうにもならなくなってしまう。

 テレビだと,ほかには,BS朝日ベルリン・フィル定期演奏会を放送していた時期があった。年始の特番でテレ朝系とフジ系がクラシックの特番をやることもあった。日テレは読響を持っているので,そちらが中心。ほかにも民放で注目すべき演奏会を放送することもあったが,一番クラシックに縁遠いのは,今も昔もTBS系だろう。全く関心がないようだ。順位付けをするとすれば,テレ朝,日テレ,フジの順で,TBSとテレ東は番外といったところか。

 

 エアチェックの音源としては,WOWOWの音声だけの放送として,セント・ギガというのがあって,クラシック音楽の番組もあった。

 

 ラジオに話を戻すと,メインの音源はFMからMUSIC BIRDに移った。今のTHE CLASSIC,かつてのCLASSIC 7である。

 今でこそ,圧縮音源のSPACE DiVAになってしまったが,2011年の7月まではCS-PCM放送(16bt,48kHz)で,CDを超える高音質だった。それをそのままDATに録音する,というのが,かなり長い間,エアチェックのスタンダードになった。

 MUSIC BIRDのCS-PCM放送の特徴は,コピーガードのないデジタル放送だった,という点が特筆される。つまり,SCMSに対応したDATなどにデジタル録音した後,更に1世代はデジタルコピーができたのだ。今のSPACE DiVAはそれができない。なので,DATからHDD-CDRレコーダーにデジタルコピーし,CD-Rに焼いて,パソコンでリッピングすることもできるのである。もちろん,CD-Rに移すにはサンプリングレートを変換しないといけないので音は若干劣化するが,貴重な音源をパソコンに取り込んで残せるというメリットは大きい。

 外付けのUSB D/Aコンバーターなどを使えばDATから直接パソコンに取り込むこともできるのではないかと思うが,調べていないので分からない。これをやり出すと,それだけで一生が終わってしまいそうなので。DATからだと等速でしか取り込めないし,それを編集(トラック分け)して,となると,1本を取り込むのにどれだけ時間がかかるか,とんでもないことになりそうだ。

 残念だったのは,CDを放送する場合は一度アナログ変換して48kHzにして放送していたよう(なので,もう1世代デジタルコピーできる)なのだが,CDより録音レベルがかなり低いのである。これは,SPACE DiVAになっても変わっていない。したがって,再生するときはかなりヴォリュームを上げないといけないし,何より,そのためにダイナミックレンジが小さくなってしまっている。せっかくCDを超える音質のフォーマットなのに,それが生かされないことになってしまっていた。

 それともう1つ,CD1枚の放送が終わると,管理用の信号なのか,すごく小さな大人のだが,「ピー」という音が入るのだ。最近のCDは曲の前後の余白を多く取っているものが多いのでほとんど問題ないのだが,初期のCDだと残響がまだ残っているのでは?と思うようなタイミングで終わってしまうものもあり,そうすると,すぐ「ピー」と入るので,曲の前後を切るタイミングが非常に難しいときがあった。

 

 2011年8月からは圧縮音源のSPACE DiVAに移行してしまい,非常に残念なことになってしまった。CS-PCM用のチューナーは使えなくなるので,SPACE DiVA用のチューナーを無料で送ってくれたが,今さらFMに戻るわけもなく,その後約10年間,SPACE DiVAのお世話になることになった。

 CS-PCMのときからそうだったが,結局,たくさんチャンネルがあっても,CLASSIC 7(THE CLASSIC)以外のチャンネルを聴くことはほぼなかった。

 

 

 長くなってしまったので,サブスクでどう変わったかは,別記事で書くことにする。

 

 

Apple MusicとAmazon Music ②

 Apple Musicを使い始めて3か月が過ぎた。Apple製品は持っておらず,AndroidWindowsで使っているが,Androidは途中からハイレゾロスレスに対応したので,i Phoneなどと同等の使い勝手となったのが嬉しい。

 

【音質】

 Apple MusicとAmazon Music HDの音質を比較できるほどの環境ではないので,スマホで聴く限り,違いは分からない。

 それよりも,どれだけの曲がロスレスハイレゾに対応しているかが問題だ。

 初めのうちは,Apple Musicはロスレスハイレゾの曲が圧倒的に少なかったが,もはや同等レベルにまで来たと思う。曲やアルバムによって,AppleAmazonでどちらかがロスレス,どちらかがロッシーだったりすることはある。

 Appleの方は,アルバム単位で管理されているようだが,Amazonは曲ごとなので,1つのアルバムの中でハイレゾと非ハイレゾが混在しているものがまだまだあり,これは早くやめてほしい

 音質が分かりやすいのはAmazonの方で,検索するとすぐ分かる。Appleは,アルバムか曲を選択しないと分からないので不便だ。サンプリング周波数とビットレートも,Amazonは簡単に分かるが,Appleはどこを見れば分かるのかが分からない。さらに,Appleには「Apple Digital Master」とされているアルバムがあるのだが,これが実際のところどんなものなのかがさっぱり分からない。

 Appleの一番の問題は,Windowsではロスレスハイレゾも対応していないところだ。排他モードにも対応していない。排他モードはともかく,ロスレスハイレゾに対応しない限り,Apple Musicを無料期間終了後も継続することはないと思う。ここは,何としても早急に対応してほしい。

 Amazonは,サンプリング周波数とビットレートを自動で最適化するようにしてほしい。mora qualitasは対応しているので,すぐにでもできるはずだ。

 

【使い勝手】

 検索も含めた使い勝手については,一長一短としか言いようがない。

 画面のデザインは,ホワイトも選べるAppleの方が好みだが,どうしてもこちらでないと,というほどの差はない。

 どちらも,スペアナやレベルメーターなどのギミックが追加されるともっと楽しめるのだが。

 

【曲数】

 これも,どっちもどっち。

 実は,ここに伏兵がいて,自分が聴きたい曲の場合,Spotifyには,どちらかにしかない曲やアルバムがほとんどあるのだ!

 

【空間オーディオ対応】

 まだまだこれからという感じがするが,今のところ,手軽に体験できるのはApple Musicの方のようだ。Dolby Atmos対応のスマホを持っていれば,通常のイヤホンやヘッドホンでも体験できる。Amazonは,どうやったら聴けるのかさっぱり分からないAmazon Echo Studio端末だと聴けるというが,そんなの持ってないし,全然一般的じゃない。

 必須かというとそうではないが,確かに聴けると楽しい。これから流行るのか,消えるのか・・・。

 

【結論】

 サブスク中心で音楽を聴くようになって,音楽を聴くスタイルが全く変わってしまった。そのことについてはそのうち書こうと思っているが,エアチェックがメインだった生活と比較すると,まさに「解放された」としか言いようがない。タイマーをセットして,いろいろ編集したりもしてメディアに残し,曲名を書き込んだり,といった音楽を聴くこと以外の時間にどれだけ無駄な時間を費やしたのだろう!こういったことのほとんどから,いきなり解放されてしまったのだ。つまりは,音楽を聴く時間が増えたということだ。

 

 さて,複数のサービスを併用できるならいいのだが,経済な問題からも,1つに絞るしかない。無料期間を利用してAppleAmazonを併用して思ったのだが,2つ併用するのは単純に面倒でもある。

 1つに絞るとすると,現状ではAmazon Music HD以外の選択肢はないApple MusicはWindowsではロスレスハイレゾが聴けないからだ。Windowsでもロスレスハイレゾで聴けるようになれば,Appleにする可能性が高い。

 

 今はそういう状況だが,Spotify HiFiが始まれば,本命になる可能性が高い。聴きたい曲が一番あるのはSpotifyのようだからだ。金額と空間オーディオの対応状況がポイントになるだろう。今年後半から始まるという情報が流れてから,その後さっぱりなのだが,早くサービスの内容を発表してほしい

 

 mora qualitasは本当にダメなようだ。SONYの360 Reality Audioにも対応していないし,SONY自体が見捨てたとしか思えない。ATRAC始め,SONY内部の縦割りのせいで消される運命なのだろうか。いつになったらSONYは学習するのだろう。もしかして,社長はmora qualitasのことを知らないのではないか。

 しばらくは一部のオーディオマニアや評論家相手に細々と続いていき,最後はバッサリ捨てられるのだろう。

 

 

ツィメルマンとラトルのベートーヴェン・ピアノ協奏曲全集

 半年以上前から一部の楽章が先行配信されていた,クリスティアン・ツィメルマンサイモン・ラトルによるベートーヴェンのピアノ協奏曲全集がようやく全曲発売された(グラモフォン UCCG-45005/7)。

 

 先行配信のときから気になっていたが,ラトルの指揮(ロンドン交響楽団)のクセが強く,全体の出来が心配だったが,予想どおりであった。

 ツィメルマンのピアノはいつもどおり,透徹したピアニスティックな演奏で,文字通り「完璧」なのだが,ラトルの方は,ツィメルマンと全然合っておらず,とても残念な結果になっている。

 まず,テンポが合っていない。おおむね急速楽章でそうなのだが,速めのテンポのツィメルマンに対して,ラトルの方はダラダラしており,特に第4番の第3楽章はひどい。

 次に,ラトルのクセというか体臭とでもいうか,いわゆるドイツ風の演奏とは違う感覚の演奏に非常に違和感を感じる。これは,曲によってはバーミンガム時代から感じることがあったのだが,ベルリン・フィルウィーン・フィルだとあえてラトル逆らっていた(あるいはラトルが遠慮していた)のでそこまで気にならなかったものだ。しかし,ロンドン交響楽団に行ってからは遠慮無用にやりたい放題になっている。

 例えば,通常はメロディーラインなので強めに弾かせるパートをわざと弱く弾かせて伴奏だったり対旋律を強調するやり方がある。これは,うまくはまると効果的なこともあるが,ラトルが好んでやる箇所というのがすごく違和感のあるところばかりだったりする。

 あとは,これもよくラトルがやるのだが,通常音をはっきり区切って演奏するところをつなげて演奏する箇所がある。不良がダラダラ歩いているような雰囲気があって,すごく気持ち悪いのだ。

 その他,とにかく違和感だらけの演奏なのだ。ウィーン・フィルと録音したブレンデルとのものや,ベルリン・フィルと録音した内田光子とのものではここまで違和感はない。

 ラトルのクセとは別に,録音風景の写真を見ると,新型コロナのせいで奏者どうしの間隔をものすごく広くとっていおり,左右も奥行きもあり得ないような配置になっている。弦楽器もかなり少ない人数のようだ。

 何とかマイクセッティングでごまかそうとしたのだろうが,やはりどうにもならず,スカスカの奇妙なバランスになってしまっている。弦(特にヴァイオリン)が少ないのもはっきり分かり,第一ヴァイオリンの弾くメロディラインが弱々しくなってしまい,とてもバランスが悪い。

 

 それにしても,録音に慎重なツィメルマンがこの演奏の発売をよく認めたものだと思う。

 ベルリン・フィルと録音したブラームスのピアノ協奏曲第1番はかなりいい演奏だったので期待したが,大変残念な結果になってしまった。グラモフォンだったら,ほかの指揮者とベルリン・フィルを使うこともできたのではないか。

 

 

Apple MusicとAmazon Music

 Apple Musicを利用して1か月がたった。

 現時点で,AndroidスマホWindowsiTunesで使ってみた感想は,使い勝手はかなりいいが,問題も多いということだ。

 Androidではまだロスレスハイレゾには正式に対応していないが,ベータ版でロスレスハイレゾも試してみたので,その感想を書いておく。

 

【曲数】

 公表されている曲数(書かれているものによってバラバラだったりするが)では,AppleAmazonもほぼ一緒である。

 しかし,使ってみた感じでは,AppleにあってAmazonにないものはあったが,その逆はなかった。もちろん,本当は逆もあるのだろうが,自分が聴きたい曲についてはそうだった。なので,一概には言えないのだが,Amazonの場合,シリーズものの一部のアルバム(CD)がなかったり,アルバムの中の一部の曲がなかったりと,曲選びがデタラメだなと感じさせることがあった。

 

ロスレスハイレゾ対応】

 これは,現時点では先発のAmazonの圧勝だ。しかし,以前も書いたが,Amazonには,アルバムの中でHDの曲とULTRA HDの曲が混在するという,理解不能なものがあり,今後Appleはどんどん増えていくだろうことを考えると,杜撰な管理をしているAmazonの方が分が悪くなるかもしれない。Amazonでは,当然ULTRA HDでよさそうなもの(最近リマスタリングされて,ハイレゾでも配信されているようなもの)がまだSDだったりもするので,この辺も今後改善されないようだと大きなマイナスポイントになる。

 Appleの問題は,Apple製品の対応が先で,AndroidWindowsの対応が後回しにされていることだ。Androidはベータ版が出ているので間もなく正式に対応すると思うが,問題はWindowsだ。これもAndroidと同じくらいのタイミングで正式対応されないと,かなり辛い。排他モードに対応していないもの問題だ。

 

【使い勝手】

 個人的には,Appleの方が使い勝手がいいと思った。特に,「戻る」ボタンを押したときの挙動が,Appleは分かりやすい。Amazonは,Androidの「戻る」ボタンが隠れてしまうことがあり,どうやったら戻れるのか分からなくなることがある。

 白を基調にしたAppleのデザイン(黒も選べるが)も印象がよい。どうせだから,どちらも,いろんなスキンを用意して楽しめるようにしてくれるといいのだが。レベルメーターやスペアナ表示があっても面白いと思う。

 Amazonでは,説明が難しいのだが,一度端末にダウンロードしたものを削除すると,ライブラリに亡霊のように残ってしまうのに困った。キャッシュを削除すると消えるようだが,分かりにくい。この辺もAppleの方が分かりやすい。

 Appleでは,ダウンロード中にWiFiの圏外に出てしまったときに,そのままダウンロードが中断されずに続いてしまい,すごい量のデータ通信をしてしまったことがあった。Amazonでは未確認だが,そういうときは,一度ダウンロードが中止されるような仕様にしてほしいと思う。

 

 

【現時点での結論】

 まだ無料期間が残っているので,それが終わるときにどうなっているかなのだが,現時点では,最終的にはAmazonにするしかないかなと思っている。

 Amazonにない曲は,Spotifyの無料で聴くことはできそうなので。

 Appleの一番の問題は,Windowsハイレゾロスレスが使えないことである。これが解決し,排他モードにも対応すれば,Appleにしようと思っている。しかし,見通しが立っていないので,Appleの使い勝手の良さは惜しいのだが,Amazonにするしかなさそうだ。最終的に,併用というのは考えていない。経済的な問題が一番だが,何より面倒なので。

 ただし,Appleの無料期間終了までには,伏兵が出てくるかもしれないとも思っている。Spotify HiFiがその最有力候補であることは間違いない。いつ,どんなサービスで出てくるのだろうか。

 mora qualitasはもうダメなようだ。何も新しい情報がない。オーディオマニアだけを相手に,細々と続けていくつもりなのだろうか。アプリももう削除しようかと思っている。残念だ。

 

 

東京オリンピック

 いくらなんでもこれほど愚かだとは思わなかった。

 菅総理のことである。

 

 東京オリンピックは,タイミングを見計らって中止すると思っていた。しかし,その気は全くないようだ。

 やはり,一国民としてこの愚かな者達への抗議の一文を残しておかなければならないだろう。

 東京オリンピックは即刻中止すべきである。

 

 

 マスコミの報道のおかしさにも触れておかなければならない。

 聖火リレーを始め,批判を受けそうなことについて,マスコミは沈黙している。聖火リレーでの,あのバカとしか言いようのないスポンサーの宣伝カーのことも,あえて取り上げないでいる。

 聖火を持ってニタニタしながら走るランナーの顔を見ると反吐が出そうになるのであるが,報道はきちんとしてもらわないと困る。

 そして,ここに至っても,開会式がどうなるのか全く情報がないのも不可解だ。リハーサルはやっているのだろうに。

 

 

 もう一つ,宮内庁長官の発言についても書いておかなければならない。

 菅総理の御用学者と思われる一部の憲法学者憲法違反だと新聞等にコメントを出したが,多くの憲法学者は沈黙しているようだ。

 この問題は,内田樹氏らが言うように,政治の問題ではなく,科学の問題だ菅総理らは,政治の問題であることにして,西村長官の話を黙殺しようとしていると見るべきだろう。もっとも,菅総理は何も分かっていない可能性が高いが。単に余計なことを言いやがってくらいにしか思っていないかもしれない。

 

 この件で見えてきたことが2つある。

 1つは,政治的発言とは何かということ。まず,その議論があるべきなのに,ほとんど話題になっていない。これは法学者の怠慢だろう。ここで議論しなくていつするのか。日本学術会議の問題のときもそうだったが,日本の憲法学者の情けなさはここに極まった感じがする。

 また,憲法に抵触するかどうかの判断は誰がどのようにするのか,ということにもつながる。

 

 もう1つは,仮に天皇が政治的な発言をしたときに,どうなるのかということだ。

 誰が判断するのかとも関係するが,天皇を相手に損害賠償請求でもするのか。一歩下がって,国に対して国家賠償請求でもするのか。そのうち本当にそういう人が出てくるかもしれない。

 

 

 

 とにかく,東京オリンピックは即刻中止すべきだ。これ以上は書かない。

 

 

1992年のアバド指揮ベルリン・フィル公演

 古いビデオテープを漁っていたら,1992年にNHKで放送された外国オケの来日公演の入った1本があった。

 クーベリックチェコ・フィル,アバドベルリン・フィルウェルザー=メストロンドン・フィルシノーポリウィーン・フィル。どれも懐かしい,当時はかなり話題となった公演だ。

 その中で,アバドベルリン・フィルブラームス・プロが一番強烈だった。

 

 1992年1月25日にサントリーホールで行われた公演で,前半はムローヴァの独奏によるヴァイオリン協奏曲,後半は交響曲第2番,アンコールにハンガリー舞曲第1番,というプログラムだった。

 ヴァイオリン協奏曲は,その後CD化されて,今でも手に入る。評価の高い演奏だが,個人的にはそれほど思い入れはなく,CDは持っているが聴くことは少なかった。

 

 今回驚いたのは交響曲第2番で,全盛期のアバドの圧倒的な演奏が記録されていた。

 その頃,ブラームスの第2番といえば,カラヤンの1986年盤が愛聴盤で,今でもそうだが,それに比べるとどの指揮者のどの演奏も薄っぺらくて満足がいかなかった。

 1992年当時も,1988年録音のアバドベルリン・フィルによるCDがイマイチだったせいで,あまり本気になって聴いていなかった気がする。

 この演奏は,テレビで放送されたほか,FMでも放送(生中継だったかもしれないが,不明)され,これもデジタル化して残してある。しかし,全然聴くことはなかった。しかし,改めてテレビ中継を観て,圧倒されっぱなしだった。

 まだカラヤンの旗本と言われた猛者たちがたくさん残っており,その顔ぶれを見るだけでもすごいのだが,今ではまず見られないであろう,サントリーホールのステージいっぱいに並んだ倍管編成のベルリン・フィルが圧倒的だ。ステージからこぼれ落ちそうなくらい奏者が並んでいるのだ。

 コンマスはスタブラーヴァとシュピーラー,ヴィオラにはクリスト,コントラバスにツェペリッツ。木管は,クラリネットのライスターこそいないが,フルートはブラウ,オーボエシェレンベルガー。ホルンはハウプトマン。そして一番凄いのが,ティンパニのフォーグラーだ。

 フォーグラーのティンパニは本当に凄い。正確無比。音色が最高。そして凄いパワー。聴いていて何とも気持ちがいい。

 1994年のヨーロッパコンサートの映像がDVDやデジタル・コンサートホールで見れるが,ここではマイクのセッティングのせいか,フォーグラーのティンパニが抑え気味で全く物足りない。開場が狭いのでオケの人数も抑えていて,サントリーホールでのような圧倒的な開放感はない。メンバーも世代交代が始まっていて,カラヤン時代にはいなかったソロ奏者が目立ち始めている頃。

 これに対して,1992年の演奏は,ちょうどアバドがHIPに興味を示して演奏スタイルを変えるなど,停滞期に入る直前で,ライブで時にもの凄い演奏を聴かせることがあった時期の最後期と言っていいだろう。

 

 この日の演奏,前半はCD化されているので,後半もCD化されないだろうか。音源は残ってないのだろうか。

 CD化は無理でも,デジタル・コンサートホールで見られるようにしてもらいたいと切に願う。

 アンコールのハンガリー舞曲も,ノリノリで凄い演奏だった。

 

 

 アバドベルリン・フィルの1990~2000年代の演奏は,ほかにもテレビ中継されたものがたくさんあるので,ぜひぜひデジタル・コンサートホールで見られるようにしてほしいと思う。

 

 

Apple Musicの不具合(Windows)

 Apple Musicでロスレス音源の配信が始まらないと話題になっているようだ。Twitterで「まだだ」と投稿している方たちは,iPhoneなどを使っている方なのだろう。

 残念ながら,こちらはAndroidWindowsで,Appleが公式にロスレスで再生できる対象になってないと言っているので,待ってもしょうがない状況だ。

 

 そのWindowsでの再生だが,曲の再生が途中で止まって固まってしまう現象が起きることが分かった

 ブラウザはFirefoxChromeのどちらでもダメで,同じ曲の同じ箇所で固まるので,Apple Music側の問題だと思われる。Windows版はダウンロード(オフライン再生)はできないし。

 Androidでは問題なく再生できているので,Windows版固有の問題だと思う

 これまで,2つの曲でこの現象が発生している。まだWindowsでは何曲も聴いていないので,かなりの確率になる。

 

 やはり,Apple製品を持っていない人は,Apple Musicはやめた方がいいのだろうか

 

 ギャップレス再生の対応状況も確認してみた。

 公式には,ギャップレス再生に対応していることになっているようだが,確認のために聴いてみた曲では,トラックの変わり目で小さな雑音が出た。

 同じ箇所をAmazon Music HDとSpotifyで聴いてみたところ,音がほんの一瞬途切れたり,雑音が入ったりすることが分かった。なので,Apple Musicではなく,音源を提供している側の問題らしいことが分かった。

 別なアルバムでは,途切れたり雑音が入ったりしないものもあったので。

 

 サブスクの場合,コーデックやビットレートはサービスによって様々なので,どのようにして音源が提供され,聴ける状態になるのか,とても気になるところだ。

 

 

Apple musicはロスレスではなかった(Android&Windows)

 Amazon Music HDを解約して,Apple Musicの3か月無料体験を始めた。

 どうも,無料なのは3か月ではく,90日のようだ。6月1日に契約したところ,8月31日から有料になるというので。1日の違いと言うかもしれないが,ギリギリまで有料に移行するか迷っているひとからすると,この1日は大きい。こういうキャンペーンの告知は正確にしてもらわないと困る。申し込んだ時点で気が付いたからよかったが,トラブルの元だ。

 Apple製品は今まで一度も買ったことがなく,iTunesで数曲買ったことがあるだけなので,Appleを使うのはほとんど初めてといっていい。何となく嫌いだったからだ。

 

 さて,使っていて,聴いている曲の音質が分からないので,不思議に思って調べたところ,「ロスレスオーディオは、iPhoneiPadMacApple TV上にある最新のApple Musicアプリで聴くことができます」だそうだ。

https://www.apple.com/jp/apple-music/

 つまり,AndroidのアプリやWindows(ブラウザ)ではロスレスでは聴けないということが分かった

 Appleの公式発表は見ておらず,様々な紹介記事を見ただけなので,Appleを責めるわけにはいかない。と思ったが,そうでもなかったようだ。

 

 何かの記事で,AndroidWindowsでは48kHz/24bitまでしか対応していないというのを読んだ気がしていたので,ハイレゾで聴けないのは残念には思いつつも,どうぜハイレゾとの違いは分からないだろうから,ロスレスならいいやと思い,そこはあまり気にしてはいなかった。

 しかし,ロスレスでないとすると,Appleは256kbpsなので,話が全然違う。Spotifyより音質的には劣るのだ。

 

 改めていろんなサイトを確認したが,5月27日のmobile ASCIIの記事では,「iOSAndroidで楽しめるロスレスオーディオ」という見出しと,「コーデックの形式はALAC(Appele Lossless Audio Codec)になるが・・・アップルデバイス向けの「ミュージック」アプリ、またはAndroidで利用できる「Apple Music」アプリで楽しめる」という本文の記述がある。

 さらには,機種によってはハイレゾも楽しめそうだとも書いてあった。

https://mobileascii.jp/elem/000/004/056/4056577/

 

 5月19日のPHILE WEBの記事でも,「Android端末でもやはりハイレゾを含むロスレス再生が楽しめる」とあり,独自の取材で分かったことだというので,やはりAppleに騙されたと言っていいと思う

https://www.phileweb.com/review/column/202105/19/1290.html

 

 3か月はこのまま様子を見て,その時点でまたどうするか考えようと思う

 

 

 使ってみての印象は,UIはAmazonより直感的に分かりやすいかなと思った。

 特に,「戻る」ボタンを押したときの挙動が,Amazonだとどこに行くのかさっぱり分からないのだが,Appleはきちんと順に前の画面に戻っていくのがいい。

 クラシック音楽を聴く上で一番問題になる検索のしやすさについては,どちらも一長一短があるなという印象だ。Appleが断然優れている,とは到底言えない。Amazonではすぐに見つけられた曲が,なかなか見つけられなかったりもしている。

 この辺は,それぞれクセがあるので,慣れるしかないところもある。

 

 白が基調のデザインは,黒いAmazonより好きだ。

 だが,有機ELスマホだと消費電力が増えそうな気もする。

 

 聴くことのできる曲については,Amazonでは,アルバムの一部の曲が欠けていたり(レヴァイン指揮ボストン交響楽団の《ダフニスとクロエ》の最後のトラック,カヴァコスベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全集の第5番第1楽章,など),同じアルバムがダブって登録されていたり(それで登録曲数をかせいでいるわけではないだろうが)といったことがあるが,Appleでは今のところそういうのは確認できていない。

 もっとも,これはAmazonがおバカすぎるだけなので,Appleのアドバンテージとまでは言えないだろう。