自主避難者との間の深い溝

 今日の読売新聞に,原発事故による福島県からの自主避難者の記事が結構大きく出ていた。

 福島県民以外の方にはぴんと来ないかもしれないが,自主避難者(特に県外)とそれ以外の方との間には,深い溝ができてしまっている。

 残念ながら,自主避難者以外の福島県民の多くは,自主避難者のことを快く思っていないようだ。

 自主避難者は避難元の自治体は自分たちを見捨てたと思っているのだと思うが,自主避難者以外の方は自主避難者は避難元の自治体を捨てたと思っている。

 既に,公の場で自主避難者について述べることは,タブー化している。私もそのタブーを破るつもりはない。破ったところで何にもならないから。

 

 こういう問題の場合,敵を作って攻撃する,というやり方は得策ではないように思う。一部に熱狂的なファン(支援者)は現れるかもしれないが,どちらかというと敵を増やすだけで,結局は得られるものが少ないと思う。

 自主避難者の方は,攻める(責める)相手を間違っていると思う。内堀知事に合わせろと,貴重なお金と時間を費やして福島県庁に集まったりしているようだが,内堀知事に会ったところで何も変わらない。自主避難者の支援を福島県がやっていたのは,そう決められたからであって,本来は国か東電がやるべきことだからだ。国から金がもらえない限り,内堀知事は何もできない。無い袖は振れないのである。

 大坂の陣を終わらせたいからといって,真田信繁に会わせろと言ってもしょうがないのと同じである。

 できるだけ自主避難者以外の方を敵に回さず,国・東電と闘うことにエネルギーを使った方がいいと思う。自分たちの行動に正当性があるというのなら,尚更である。被災者同士で足を引っ張り合っていても,本当の敵を喜ばせるだけだ。