紅白で見えた 星野源 裏声と歌唱力の限界

 2016年のNHK紅白歌合戦星野源が「恋」を歌った。

 はっきり言って,声が出ておらず,特に裏声の部分はプロとしては恥ずかしすぎるくらい酷いものだった。23日のミュージックステーションスーパーライブのときよりもさらに酷くなっていた。声が全然出ていなかった。いくら何でもあれはないだろう。夜遊びしすぎたのか。

 そもそも,なぜこの人はすぐ裏声を使うんだろう。シンガーソングライターなのだから,自分の声の音域に合わせて曲を作ればいいのに。

 もちろん,裏声が全部ダメというわけではなく,感情表現の一つとして効果的に使うのならば分かる。しかし,「恋」の場合は声が出ないからしょうがなくて裏声で歌っているのは聴けば明らかだ。それが,裏声ですらまともに声が出ないのでは,プロ失格である。聴衆を嘗めているぞ。

 歌手の杏沙子がYouTubeで「恋」をカバーしているが,音を下げて裏声は使わないで歌っている。これだと,気味の悪い歌がだいぶまともに聞こえる。おそらく,音を下げても,裏声を使う方がプロとして許せないことだったのだろう。

 男性歌手が常人離れした輝かしい高音を轟かせるのは,歌を聴く楽しみの一つである。それを裏声で誤魔化すのは,プロとしては情けないやり方だ。高い音が出ないなら,出ないなりに歌ってほしい。そうでなければ,これからでもボイストレーニングして地声で高音を轟かせてほしい。

 星野源には,ぜひ,裏声を使わず,音も下げずに「恋」を歌ってもらいたい。それで名誉挽回してほしい。

 いずれにせよ,あの不名誉な歌が未来永劫残ってしまうことにはなってしまった。ただの歌番組ならともかく,天下の紅白である。どこで映像が使い回されるか分からない。それとも,再放送されるときには,こっそりと音源を差し替えたりするのだろうか。

 

 

 まさかと思うかもしれないが,クラシック音楽の世界だが,そういうことがあった。

 ここから先は星野源とは全く関係がない。

 1988年の最後のカラヤンの来日公演。5月4日の東京文化会館での演奏。グラモフォンから正規盤としてCDも出ている。この日のメインプログラムであるムソルグスキーの《展覧会の絵》で,冒頭のトランペットが思いっきり音を外したのだ。

 この日はFMで生中継があったので,エアチェックしていたのだが,その後,再放送の際にはミスなしのものに差し替えられていた。生中継をエアチェックしたテープに録音し直してしまったので記憶の中でしかないのだが,強烈に覚えているので間違いない。

 その後,20年ほどしてCD化されたときも,ミスなしのものだった。

 カラヤンの指示なのか,ベルリン・フィルの指示なのか分からないが,そういうことはあるのだ。

 なお,今はYouTubeなどで生放送のときのミスありの音も聴けるようだ。悪いことはできないということだ。

 

 さらに,同じくベルリン・フィルの1981年の来日公演の際,ラヴェルボレロトロンボーンのソロがやはり思いっきり音を外したということで有名なのだが,そのことがNHKのBSで以前放送していた「名曲探偵アマデウス」で紹介されていた。この曲の一番の難所ということで,N響の方が冷や汗を流しながら実演してくれていて,非常に面白いのだが,ベルリン・フィルの話の部分が,しばらく後の再放送ではカットされていたのだ。

 ベルリン・フィルからクレームがついたのだろうか。

 たまたま修正前と後の両方を録画していたので,意図的にカットされているのが確認できた。

 世の中こういうことがあるので面白い。初回放送は大事に取っておいた方がよいということである。

 

 

 ということで,紅白での星野源の歌も,完璧な裏声に差し替えて放送される可能性がある。生放送を録画していた方は,大事に保存していた方がよいですぞ。完璧な地声に差し替えられたりしたら,最高に面白いのだが。

 

 

 それより,NHKにはぜひ「名曲探偵アマデウス」の再放送と続編をお願いしたい。