googleマップで福島県飯舘村内の施設・事業所がなくなっている件

 googleマップを見ていたら,福島県飯舘村内の施設や事業所が表示されなくなっているのに気が付いた。

 例えば,8月末にオープンしたばかりのローソン飯舘臼石店。試しに検索してみると,「閉鎖」,「閉業」となっていた。つい昨日,営業しているのを確認したばかりである。

 ほかにも,営業しているはずの施設や事業所が軒並み消えていて,検索して見てみるとやはり「閉鎖」,「閉業」となっていた。

 誰かの悪いいたずらか。酷いものだ。

 

 どうも,閉業の修正提案をするのは簡単だが,その後元に戻すのは審査に時間がかかるようだ。

 しかし,閉鎖にされてしまうと検索しない限り出てこないので,一つ一つ探して元に戻すのは容易ではない。

 googleには,こういうことが起きていることを把握して,きちんと対応してほしい。そもそも,おそらく一人が大量にやっているはずなので,おかしいと気付かないのはおかしい。危機管理上も問題だ。

 

 

トスカニーニ生誕150年

 今年はイタリアの指揮者アルトゥーロ・トスカニーニ(1867-1957)の生誕150年になる。と言われてもさっぱりピンと来ないのは,なかなか聴く機会がなかったからだろう。

 後の指揮者に与えた影響からすると,フルトヴェングラーなんかよりも遥かに大きな存在だったのではないかと思うのだが,例えばMUSIC BIRDのTHE CLASSICでも,放送される機会は非常に少ない。フルトヴェングラーワルターがわりと定期的に新譜(再発も含め)が出て放送されるのに対し,トスカニーニはめったにない。クナッパーツブッシュなんかに比べても少ないと思う。

 しかし,後の指揮者に与えた影響は絶大だと思う,フルトヴェングラーの信奉者はたくさんいるが,第2のフルトヴェングラーはついに現れなかったと言っていい。現代の指揮者で言えば,フルトヴェングラー信奉者として有名な指揮者にダニエル・バレンボイムがいるが,彼の演奏を聴いてフルトヴェングラーの後継者だと思う人はいないだろう。あのクラウディオ・アバドだって,「アバドは自分に最も大きく影響を与えたベートーヴェン演奏として,フルトヴェングラーによるものを上げている」のだそうだ(ウィーン・フィルとのベートーヴェン交響曲第9番のライナーノーツより)。しかし,これまたフルトヴェングラーとは全く似ても似つかない。

 しかし,トスカニーニの演奏の影響を受け,それを(一部でも)引き継いだと言われる指揮者は山ほどいると言っていいと思う。

 それほどの指揮者なので,いろいろ聴いてみたいと思うのだが,音が悪いと評判のモノラル録音ばかりではなかなか買おうとは思わないし,放送される機会も少ないので,ほとんど聴けないまま来ていた。

 

 そのトスカニーニの特集がレコード芸術2017年8月号で組まれた。

 なかなか充実した内容だったと思う。それで,そういえばトスカニーニの特集なんて読んだことないなと思ったら,10年前にも生誕140年&没後50周年で特集が組まれていたという。全く記憶になかったが,確かに2007年12月号を引っ張り出してみたところ,特集が組まれていた。

 それはさておき,いつもレコード芸術でこの手の企画を読むと気になることがあるので,書いておく。

 時代背景,演奏の特徴,他の指揮者への影響,代表的名盤などは,当然いろいろな観点からいろいろな評論家の方が書いているが,人間的な部分,すなわち,プライベートなことや内面的なことについては,あえて触れないようにしているように思う。様々な面白い逸話なども,あえて載せないようにしているのではないか。

 なので,どういう演奏の特徴があったのかは分かるが,なぜ彼が(ほかの指揮者と違って)ああいう演奏をするようになったのかや,どういう人たちと個人的なつながりがあったのかなどは,ほとんど触れられない。人としての面白さが全く見えてこない。その辺がいつも不満に思うところである。

 他の演奏家の企画でも,例えばもう数年前になるが,クラウディオ・アバドの特集でも強く感じた。

 やはり,編集方針として,あえてそうしてるのだと思うが,そこは何とも物足りないのだ。客観的な記事を載せることに拘りすぎているのだろうか。もっと踏み込んでもいいのではないか。

 既にクラシック音楽好きになっている人ばかり相手にするのでなく,これから好きになる人を増やすということからも,そういう観点からの記事があってもいいと思う。

 今度,一人の音楽家を特集として取り上げる際は,ぜひ御一考願いたいものだ。

 

 

 ちなみに,「名盤対決!」のレスピーギ:ローマ三部作では,ぜひアンドレア・バッティストーニ/東京フィルの演奏(DENON COGQ68)も取り上げてほしかった。特に「ローマの祭り」は涙が出るほどもの凄い演奏なので。いろいろ聴き比べたことがあるが,この曲だけはトスカニーニのものも聴くことができて,バッティストーニに並びうるのはトスカニーニだけだと思った。これがステレオの鮮明な録音だったらどれだけ凄かっただろうと残念に思ったものだ。相場さんも「《ローマの祭り》に触れる紙幅がすっかりなくなってしまった」と書いているが,写真を削ってでも《祭り》に触れてほしかった。

 

 

MIKIKO先生のSWITCHインタビュー

 Perfumeの振付で有名なMKIKO先生が,NHKの「SWITCH インタビュー 達人達」に出ていた(8月19日)。お相手は,美術監督種田陽平さん。

 

 最近のPerfumeの振付にはすごく違和感を感じていたので,興味深く見た。違和感というのは,手話?とカンフー?ばかりじゃないか,ということ。カンフーのような動きについては言及がなかったが,手話か?ということについては,先生自身が実際に「TOKYO GIRL」や星野源の「恋」を例に解説されていたので,意図するところはよく分かった。

 分かったというか,言われないと全然分からなかった。一つ一つに動作に歌詞と連動した動きがあるということは分かったが,そこにこだわりすぎて,ダンスとしての純粋な楽しさが損なわれているのではにないかと思った。

 確かに「恋ダンス」は大ブレークしたが,ずっとPerfumeの踊りを見ていた人間からすると,どんどん細かくなってきて,しかもどういう意味があるのかよく分からない動きが多くて,面白くないなと感じていたからだ。

 「チョコレイト・ディスコ」の解説もあって,ここでも今まで分からなかった謎が解けた。指で「2」,「1」…と示す動作があるのだが,「2」,「1」,「4」で2月14日のバレンタインデー意味していたのだそう。今まで数え切れないほどPVを見ているが,全く分からなかった。あそこだけ違和感があったので,「そんなことだったのか」という思いと,「何もそんなことしなくても」という思いの両方を感じた。

 Perfumeの踊りを見ている人は,みんな何も言われなくても理解していたのだろうか。理解できたとして,だから何なの?と思ってしまった。

 その「チョコレイト・ディスコ」の頃と比べと,本当に最近の振付は謎だらけである。あの数字の部分を除けば,「チョコレイト・ディスコ」の振付は本当によくできていると思う。シンプル(といっても踊るのが簡単というわけではないが)でかつPerfumeの3人の魅力に溢れている。だから今でも人気なのだと思う。

 

 そんなに歌詞と連動した踊りをさせたいのであれば,いっそ本物の手話で振付をしたらどうだろう。そういうのってあると思うのだが,MIKIKO先生が振付をしたら,手話をやられている方は喜ぶのではないか。

 

 そうでないなら,もう手話っぽいのとカンフーはたくさんですMIKIKO先生。

 

 

「いいたて村の道の駅までい館」グランドオープン

 福島県飯舘村の県道12号線(原町川俣線)沿いに,平成29年8月12日(土)10時,「いいたて村の道の駅までい館」がオープンした。

 村の中心部からやや西に行った田んぼの真ん中にあって,県道の向かい側はひまわり畑になっている。ちょうど,川俣の道の駅と南相馬の道の駅の中間くらいになるので,場所としてはちょうどいいところだと思う。

 

 道の駅の外観は,屋根から飛び出した大きなガラス窓が特徴。そこから採光し,中のホールに花玉を飾っている。

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 花をテーマにしているので,中も外も花だらけ。とっても綺麗である。こういう道の駅は,いまだかつてないだろう。

 正面から入ってすぐの「までいホール」にたくさんつり下がっている花玉は本当に見事だが,時々花が落ちてくるので,その下で食事をする際は要注意。維持費もかなりかかりそう。

 床が木なのも,こういうところでは珍しいと思う。木造で木を多く使っているので,温かい感じがする。そして,なぜか壁や扉の下の方が金色

 

 中には,トイレのほか,セブンイレブン,軽食コーナー,特産品コーナー,直売所などがある。

 

 トイレはそれほど広くはないが,やはり花がたくさん置いてあり,今はアンスリウムが飾ってあった。

 トイレ前の情報コーナーには駐車場にあるブロンズ像と同じ人が製作した木彫があり,これもほかの道の駅とは違った独特の雰囲気を出すのに一役買っている。個人的には好きな形ではないが。どういう経緯があるのかは知らないが,伊東在住の重岡建治さんという方の作品だそう。駐車場にブロンズ像がある道の駅も珍しいだろう。

 

 セブンイレブンでは,「飯舘」という名前の酒が売っている。造っているのは喜多方の大和川酒造。

 

 軽食コーナーのメニューは,まず,強気の値段に驚く。ローストビーフ丼1,200円,豚丼950円,ポークカレー850円,うどんが400円~700円,伊勢うどん(?)500円。

 デザートは,白いコーヒーソフト450円,プレミアムバニラソフト450円,コーヒー400円,水出しアイスコーヒー400円,紅茶500円,ケーキ500円,ケーキセット800円,クレープ500円。

 

 豚丼は1日30食限定で,北海道産の豚肉と福島県産のコシヒカリを使っているという。豚肉は厚切りの大きな肉が2枚。タレの味が濃いめなので,いい肉を使っているとは,言われてみないと分からない。ご飯の量は多くないので,若い人はお腹いっぱいにならないと思う。

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 ポークカレーは,本場インド風ではなく,言ってみれば日本風の甘口カレー。甘口なので子供でも大丈夫。しかしこれも値段的には厳しいと思った。気になったのは,皿に高級そうな陶器を使っているのだが,表面がザラザラしているものなので,食べ終わる頃になるとスプーンとこすれるすごい音がして,食べるのに気を遣う。

 伊勢うどんは,東北地方ではなじみのない食べ物(なぜまでい館で出してるのかは不明)だが,三重県伊勢市あたりの名物らしい。極太のコシの全然ない麺に,濃いタレが少量かかっていて,「混ぜて食べてください」と言われた。それにネギと鰹節を混ぜたものと,カマボコが1枚乗っている。たいして美味いとは思わないし,お腹もいっぱいにならないが,お年寄りがこぞって食べていた。コシが全くないので,歯の悪い人には食べやすいのだろう。単に珍しいから食べていただけかもしれないが。

 うどんは,かけ,かき揚げ,えび天,山菜の4種類で,稲庭うどんを使用。

 ソフトクリームは,白いコーヒーソフトというのが非常に珍しい。プレミアムバニラソフトと見比べると,コーヒーソフトの方が白いのには驚いた。ボードを見ると,日本で食べられるのはここだけだそう。騙されたと思って食べたら,これがびっくり,とても美味しい。ベースとなっているソフトクリームがいいのだろう。コーヒーが苦手な人でも大丈夫だと思う。でも450円は高い。

 プレミアムバニラソフトの方は,バニラの味が結構強いので,味を誤魔化されてる感じはする。例えば近くの伊達市霊山町にある「牧場のジャージー」のソフトクリーム(ミルク味 260円。最高においしい!)などとは全然違う。まあ美味しいし,大型のカップにたっぷり入っているのだが,これも450円は高い。

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            (こちらはプレミアムバニラソフト)

 クレープは午後3時からで,チェーン店のSunny'sが提供。クリームなど10種類ある。もっちもちでボリュームがあり,お腹いっぱいになる。もちろん美味しいので,お勧め。満足度の高さでは一番かも。

 

 特産品コーナーは,情報コーナーとまでいホールをつなぐ通路にある。直売所とはレジも別になるので,利用しやすいとは言えない。美術品みたいなのを並べた方がいいのではないかと思ってしまうのだが,効率的でないところがまた飯舘村らしいのかもしれない。

 そして,ここでも,強気の価格設定が目立つ。飯舘産のものは当然ながらほぼなく,「日本で最も美しい村」連合加盟町村の特産品や,県内各地の特産品が並ぶ。

 そんな中,飯舘村に関わりのあるものとしては,ルピシアによる飯舘産イチゴのフレーバードティー(までい館限定,「いいたて雪っ娘かぼちゃ」のカレー&スープ,ナツハゼのジャムやお茶など。お勧めはフレーバードティーとカボチャのスープ。ただし,どれもいい値段である。フレーバードティーは1缶1,500円。

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 値段で驚いたもう一つは,「飯舘村道の駅クッキー」980円。村と関わりのある新宿の料理学校の生徒が作ったらしいが,あの量(大きさ)でこの値段というのは衝撃的だった。どこまで強気なのか…。

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 そして,それ以上に凄いのが,美術女子大学・美術女子大学短期大学部チャリティーショップにある作品。ぜひ実際に作品と値段を見て驚いてほしい。

 

 直売所では,飯舘産の農産物と,村民が避難先(福島市内)で生産した農産物が並んでいた。避難指示が解除されたばかりでこれだけ村内産の農産物があったのは驚き。帰村した方々が頑張ってるんだなと思う。お勧めは,村内産のインゲン。今年7月の初出荷の際には,新聞やテレビで取り上げられていたが,買って食べたところ,本当においしかった。ほかにも何種類か村内産のものが並んでいて,これからどんどん増えるのだろう。当然,厳しい放射性物質検査を受けているので,何の心配もない。

 花も,村内産のカスミソウをはじめ,珍しいものまでたくさん売っている。16,200円の胡蝶蘭もあって,道の駅でこんな高いのを買う人がいるのだろうかと思って見ていたら,おじいさんが1つお買上げされていた。

 冷蔵庫には,村関係では,ナツハゼのジャムなどが置いてある。

 

 までい館の東側には大きなガラスハウスがあって,そこで作られた花も一部売られている。開いているときは自由に中に入って見ていいらしい。商品として作られているもののほか,替えの花玉もあった。

 

 までい館のオープンに合わせて,村の公式ゆるキャラも登場した。「イイタネちゃん」という。あえてコメントはしない。頭の葉っぱは,花にもなるらしい。

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 「笑顔のタネ♪」という公式ソング(https://www.youtube.com/watch?v=1ctRyym36AE)も作られていて,福島県出身のお笑い芸人である白鳥久美子さんが歌っている。歌が巧いかは,???

 振りが細かすぎて手話ダンスのようなのは措くとして,白鳥さんが口を一文字に結んだまま踊る様子はかなり異様。プロモーションビデオじゃなくて振付の教材のよう。せめて口パクでいいから,歌いながら踊る方が自然だと思う。

 

 

 YouTubeでは,8月14日にドローンで空撮した映像も見つけた(https://www.youtube.com/watch?v=mb1EOo0Dg1A)。

 までい館の裏手は,今後,公園や村営住宅などが整備されるのだという。

 

 

 8月19日(土)のお昼には,福島テレビ「サタふく」が生中継をしていた。ゆるキャラのイベントをやっていたが,あまり天気はよくないものの,見ている人はほぼ皆無のようだった。きちんと宣伝をしたのだろうか。司会の人がすごく気の毒に見えた。道の駅の内部も,オープン当初と比べると客の数はやや落ち着いてきているようだった。駐車場はいっぱいに見えたが。

 サタふくの中継の仕方にも疑問が。藺草アナが一人でまでい館の中継をする一方,レギュラーコーナーで浜中が例によってバカ騒ぎしながら二本松市内で生中継。藺草アナは自転車でGoで見せる馬鹿さ加減を封印してか,全然面白くなく,浜中に完全に食われてしまっていた。こういう生中継は,どちらか一つにすべきだ。そのため中継時間も短くて,全てが中途半端だった。食レポも,ソフトクリームしか食べてないし(だったらせめてコーヒーとバニラを食べ比べしろと言いたい)。豚丼かカレーを食べてきちんとレポートすべきだった。なじみのない伊勢うどんを紹介してもよかったし。イイタネちゃんも出番が少なくて,せめて1曲踊らせればよかった。

 さらに,公式Facebookによると,メンテナンスのため,8月23日(水)は15時で営業終了,翌24日(木)は休館だそう。道の駅が休館なんて,あまり聞いたことがない。セブンイレブンは(当然だが)通常営業だそう。オープンしたばかりで,何をメンテナンスするんだろう。オープンしたばかりだからか?凝ったつくりをしてるので,メンテに時間がかかるのだろうか。

 

  8月25日(金)には,来場者が5万人に達したということで,5万人目の方に記念品が贈られたそう。どうやって5万人を数えたのかは謎だが。その一方,新聞記事で村長さんが人手不足だとおっしゃっていたのが心配である。

 までい館には,次のような掲示がされていた。

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 要するに,避難指示が解除されたばかりで人手が足りず,回らないということだろう。

 ということで,9月からは,セブンイレブン以外は毎週水曜日が定休日(12月31日から1月3日までも休み)となり,営業時間も18時までになるとのことだ。

 せっかくいい場所にあるので,早く人手が揃って,年中無休でやれるようになってほしい。

 

 そして更に残念なことが。

 クレープが9月28日で終了してしまうという。既に営業時間が午後3時から5時までに短縮されていたが,までい館では食べられなくなってしまう。

 とっても美味しかったので,非常に残念だ。入っていたのはSunny'sの東北絆店で,今後は,南相馬市のジャズモールで食べることができるらしい。

 までい館の中ではできなくても,移動販売店なので,時々来てほしい。

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 一方,までい館内で酒類の販売が始まった

 セブンイレブンとは違って,県内の地酒に絞って取り扱っている。もちろん,あの「飯舘」という酒も。

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 その後,飯舘村氣まぐれ茶屋ちえこさんが造っているどぶろくも取り扱うようになった。「どぶちえ」と「白狼」の2種類がある。飯舘村福島県内のどぶろく特区第1号だったそうだ。珍しいものなので,立ち寄ったときはぜひ買いたい。

 

 

 までい館本体の営業時間が3月まで1時間短縮されているが,平成30年2月1日からはさらに1時間短くなって,午後5時までになるという。期間は3月9日まで。理由はメンテナンスのためということだが,1か月以上,毎日1時間何をメンテナンスするのだろうか。確か,水曜日が定休日になったときも,その前に何度かメンテナンスという名目で休みがあった。何か勘ぐりたくなってしまう。

 

 去年10月には,中合からの出向の駅長さんが就任したというニュースがあった。そのときに,中合のイベントとタイアップしてまでい館でもイベントをやるという記事が出ていたように思う。そこで,中合でうまいものまつりのようなものをやる際には,までい館でも何か売るのではないかと期待して見ていたのだが,全然そのような気配はない

 中合の社長に騙されたのだろうか。そうだとしたら酷い話である。この後,2月には中合で四国物産展と九州物産展があるという。今度はまでい館でも何かやるのだろうか。

 

「いいたて村の道の駅までい館」もうすぐオープン

 福島県飯舘村を通ったところ,建設中の道の駅「いいたて村の道の駅までい館」の県道の向かい側のひまわり畑が満開になっていた。

 長い名前だ。

 

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 看板を見ると,8月12日午前10時オープンとのこと。ひまわりはそれまで持つだろうか。今満開になっているところの東側にもこれから咲くひまわり畑が広がっているが,道の駅の正面からはズレている。

 県道原町川俣線(12号線)沿いの深谷地区にあり,周辺の施設と合わせて村の復興拠点との位置付けになっているそう。「花」がテーマになっているらしい。

 

 スタッフ募集中の看板が2つ立っていて,人集めには苦労しているのかなと思う。

 公式Facebookhttps://ja-jp.facebook.com/michinoeki.madeikan/)でも物販コーナー,キッチン,コンビニのパート,アルバイトを募集中とのこと。

 コンビニはセブンイレブンが入るらしい。

 物販コーナーではどのようなものを売るのか分からないが,飯舘村どぶろく特区になっていて,「どぶちぇ」というどぶろくがあるそうなので,売っているようなら買いたい。

 レストランには何か名物になるようなメニューがあるのだろうか。震災前ならいいたて牛のステーキ丼とか出したのだろうが。

 

 写真を撮ったあたり(新田川のほとり)にはトンボがたくさんいて,赤トンボだけでなく,オニヤンマもいた。オニヤンマが草むらで休んでいるのを見るのは珍しい。自然豊かな飯舘村ならでは。飯舘村ではオニヤンマのことを「ドロトンボ」と言うらしい。泥棒トンボの意味だとか。

 

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(追記)

 既に道の駅の正面のひまわりは枯れ始めていて,かわりに東側のひまわり畑が満開になっていた。

 

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 夕日を浴びるとこんな感じ。

 

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 聞いたところ,8月12日は9時半からオープニングセレモニーがあって,10時から一般開放とのこと。セブンイレブンは朝から営業しているそう。

 

 

集英社文庫のフォントが変わっていた

 集英社文庫北方謙三著『岳飛伝 一』(2016年11月発刊)を開いてみて,違和感があった。『楊令伝』とフォント(書体)が変わっているように見えた。

 『楊令伝 十五』(2012年8月25日発刊)と比べてみると,本文の明朝体のフォントが明らかに違っていた。『岳飛伝』の方が,横書くが細く,格調が高いように思った。こちらの方が好みだ(おそらく,リュウミン)。

 本文のフォントを変えるのはかなり大きな決断だったと思う。ちょっと調べたところでは,特にアナウンスはないようだが,どういう事情があったのだろう。

 

 

日本では見られないデジタル・コンサートホール

 ベルリン・フィルのオンデマンド放送である「デジタル・コンサートホール」(DCH)には,いくつか日本では見られないものがある。

 PC用のサイトで見た場合で言うと,「当映像は契約の都合により日本国内ではご覧いただけません」と書いてあって,見ることができない。

 それらは,ジルヴェスター・コンサート,ヨーロッパ・コンサート,ヴァルトビューネ・コンサートで,要するに,日本ではNHKがBSで放送するものである。

 

 しかし,これは明らかにおかしい。

 NHKもだが,そういう契約をするDCHはユーザーを愚弄している。その分金を返せと言いたいくらいだ。おそらく,NHKから多額の放映権料をもらう代わりに,日本のユーザーに制限をかけているのだろう。

 NHKの方では,これらのうち一部をNHKオンデマンドで有料放送している。しかし,全部ではない。NHKオンデマンドのユーザーの全てがDCHに加入しているわけではないし,クラシックファンの多くは録画してしまうので,NHKオンデマンドとDCHの両方で見られたとしても,NHKにたいした不利益があるとは思えない。

 ということは,DCHがNHKにこのような契約を押しつけて,儲けていると考えるのが自然だ。その見返りに我々がDCHで見られないとしたら,あまりにもふざけている。

 しかも,単にDCHで見られないだけでなく,NHKの放送は結構遅れて放送されるので,見られるようになるまでのタイムラグがかなりある。

 

 そして,直近の演奏会は上記のような表示が出て視聴不可とされているが,もっと前のものは,アーカイブで検索しても出て来ないようになっている。日本以外でもそうなのだろうか。ここはよく分からないところだ。

 

 百歩譲って,NHKの放送まで,あるいはその後数か月程度はDCHで見られないとしても,その後は視聴できるようにすべきだ。

 こういうことを続けていると,ユーザーは離れていくだろう。

 

 一方,2016年末に,ラトル指揮の第九がBSフジで放送されたが,こちらは今でも日本国内の視聴制限はかかっていない。

 これは,2015年10月16日の演奏会なので,古いからということもあるのかもしれないが,日本国内での視聴制限をかけずとも,テレビ局に提供することは可能だということである。

 BSフジは無料放送,NHKは受信料が取られる,という違いはあるが,NHKも1番組ごとに支払う形態ではないし,強制加入なのだから,ユーザーとしては,ほかの有料放送よりは無料放送に近いものである。

 

 とにかく,DCHには,NHKとの契約を見直し,日本国内のDCHユーザーに不当な不利益を与えないように,即刻改めてもらいたい。

 こういった状態は,何か違法行為に当たらないのだろうか。

 

 

N700S!?

 東海道・山陽新幹線の新型車両N700Sのデザイン等が公開された。

 それにしても,なぜ「N700S」なのか。N700系のときも思ったが,よほどJR東海はネーミングのセンスがないらしい。

 JR東海の新幹線は700から進化しないのだろうか。そんなに700という数字が好きなのか。

 何だかすごく情けない感じがする。開発に当たった技術者の方たちはどう思ってるんだろう。

 

 

何のためにメモを取るのか

 加計学園の問題は相変わらず訳が分からないが,なので,特に気になる,おかしいと思うことに絞って「メモ」しておく。

 

 文部科学省から出てきた,萩生田光一官房副長官の発言を書いたという文書について,文書は存在したが,書いた方も記憶が曖昧で,真実かどうか分からないということになっているらしい。

 当たり前である。

 記憶はだんだん曖昧になるから,メモを取るのだ。

 曖昧な記憶と,当時書いたメモのどちらが信憑性が高いかと言えば,メモの方に決まっている。

 いくら頭のいい国家公務員だった,日々いろんな仕事をしている中で,いちいち全てを覚えてはいられないだろう。

 特に頭がいい(と世間から思われているような)人だって,国会に呼ばれたり裁判所に呼ばれたりすると,平気で「記憶にありません」と言うくらいなのだから,文科省の課長補佐(おそらくノンキャリ。ということで,バカにしている輩がいるんだと思うが)が全部覚えてる方がおかしい。

 だからメモを取るのだ。

 それを,記憶が曖昧だと正直に話したことをの揚げ足を取って喜んでいる奴らは,バカだ。

 

 メモを取るのは,記憶が日々薄れゆくためと,周囲と情報共有するためだろう。

 国の人たちと一緒に仕事をしたことがあるが,彼等はメールで情報共有するのが大好きである。

 いちいち,メモを印刷して上の人まで回覧してはんこを押してもらったりすることは,ほとんどないように思った。そのかわり,かなり偉い人にも平気でメールを送っていたようだった。

 今回の問題で,政権寄りの人たちが,出てきた文書の形式がどうだとか,内容が曖昧だったり雑だったりして,本物か疑いがあるというようなことを言っていたようだが,そんなのも,十分あり得る話だと思っている。

 国の人って,結構適当なのだ。

 政治家なんかは,きちんとした書類しか見たことがないのかもしれないが,役所内で出回っている文書はそんなもんじゃない。かなり怪しげなものが流通している。

 特に,やたらプライドが高いことで有名なK産省の課長補佐級の方が作るメモは本当にひどかった。

 いわゆる5W1Hが全くなく,その場にいた関係者以外は何のことだかさっぱり分からないようなメモをつくっては,メールでばらまいていた。

 だから,今回出てきた文書が多少アバウトでも,全く驚くに値しないというのが感想だ。

 それを,元官僚の御用学者や評論家が必死になって批判しているが,何を言ってるんだと思う。奴らの言うことの方が全く信用できない。本当に役所の中でちゃんと仕事をしてきたのかと思う。

 

 もう一つ,大臣,副大臣事務次官等が知らない文書は,怪文書だというようなことを言っている人がいたが,末端の職員が職務上作成した文書の全てを彼ら偉い人は全部承知しているというのだろうか。

 全く馬鹿げた話だ。

 そんな突っ込みどころ満載の発言を聞いても何も言わないマスコミって,何なんだろう。

 

 

 これまで,御縁があって読売新聞を購読してきたが,そろそろ本気でやめることを考えた方がよさそうだ。

 信じられない記事を各新聞に払う金はないし,そんなのを読んで時間を無駄にするほと暇でもない。

 

 

MUSIC BIRD THE CLASSICのノイズ問題

 衛星デジタル音楽放送MUSIC BIRDの「THE CLASSIC」は,クラシック音楽ファンにはなくてはならないものと言っていいだろう。

 以前のリニアPCM放送(16bit,48kHz)ではなくなったが,最近は,2016年10月から一部で24bit放送(対応チューナーが必要)が始まったり,2017年3月27日からはビットレートが256kpbsから320kbpsに引き上げられるなど,高音質化に取り組んでいるところだ。なお,フォーマットは16bit,48kHzのMPEG1 Layer 2(MP2)である。

 

 そんなMUSIC BIRDだが,最近おかしなノイズが乗るときがあることに気づいた。気がつくと気になってしょうがないものであるが,主にオーケストラ音楽で,時々「ササササ…」というノイズが出るのだ。結構ボリュームを上げないと分からないが,気になる。ライヴ録音だと余計目立つ感じがするし,古い録音だと更に目立つ。

 また,拍手が入っていると,そのところでは「キュルキュル…」というノイズが出る。

 

 チューナーからアナログ出力した場合だけでなく,光ケーブルで他の機器に接続して聴いた場合も出るので,チューナーの故障ではないような気がする。もちろん,アンテナの受信状況は良好である。

 

 何とか原因を究明して,ノイズが出ないようにしたい。

 

 

宇野功芳さん1周忌

 音楽評論家・指揮者の宇野功芳さん(1930-2016)が亡くなってもう1年が経つという。レコード芸術6月号で特集を組んでいるが,評論家の特集を組むのは,宇野さん以外では(少なくともここしばらくでは)吉田秀和さんくらいだろう。それだけの人だったのは確かだと思う。

 はっきり言って全面的に好きというわけではなかったが,月評は必ず読んでいたし(面白いから),月評以外でも,宇野さんの文章は読む機会が多く,たくさん影響を受けたし,教えてもらったと思う。

 

 好きな演奏の傾向は必ずしも一致しなくて,むしろ外れの方が多かったように思う。感覚的には,宇野さんがベタ褒めしたものについては,6対4か7対3くらいで外れだったように思う。もちろん,例えばHJリムのベートーヴェン(録音は最悪)のような当たりもあった。宇野さんが褒めたおかげでその後大好きになった演奏家としては,ヴァイオリニストのギル・シャハムがいる。宇野さんがシャハムのチャイコフスキーシベリウスの協奏曲の月評で「妖刀の切れ味」と評したのを機に聴いてみてすっかりはまり,今では一番好きなヴァイオリニストと言っていい。もっとも,宇野さんはそのCDを褒めただけであって,シャハムが大好きだったわけではないようだが。

 一方,宇野さんが大好きなフルトヴェングラークナッパーツブッシュは苦手だ。苦手というより,モノラル録音ばかりなので聴く気にならないのである。貧弱な音では聴いていてストレスがたまるからだ。別にフルトヴェングラーが(人間的なことは別にして)嫌いなわけでも何でもない。余談だが,ああいう貧弱なモノラル録音を聴いても満足できる人というのは,ある意味人種が違うのかなと思う。自分には耐えられない。

 

 また,宇野さんというと,歯に衣着せぬ明快な物言いが特徴で,これでもかというほど褒める一方,メチャクチャにけなすことも多かったわけだが,不思議と,自分が好きな演奏がけなされても腹が立つことが少なかった。

 なぜだろうと考えると,宇野さんが音楽と演奏家に対して敬意を持って書いているのが何となく伝わるからなのかなと思う。おそらく,彼自身が演奏家であったからだと思う。「プロなんだからもっとできるはずだろ!」と叱咤激励しているように感じられるのだ。それと,宇野さんの場合,褒めてもけなしても,とにかく一度聴いてみようと思わせるということがある。むしろ,けなせばけなすほど,そんなにひどいんじゃ一度聴いてみたいなと思ってしまうのだ。これは,音楽評論で一番大事なことだと思っている。結局は自分で聴いてみないと始まらないからだ。「聴くに値しない」と言われても聴いてみるしかないのだ。

 ついでに言うと,よい音楽(レコード)評論だと思うのは,①どんな演奏家具体的にイメージできる,②とにかく1度聴いてみたくなる,③とにかく音楽が大好きである,④演奏家に敬意を持っている,といったことが伝わってくるもの。その上で,博覧強記だったり,情報通だったり,オーディオや最新テクノロジーに強かったり,文章がうまかったりすればなおよい。

 

 一般論として宇野さんが語ったことは,納得させられるものが非常に多かった。というか,大抵はそのとおりだなと素直に思えた。その中で「さすが,そのとおり!」と思ったものを,うる覚えであるが挙げてみる。

① 第一ヴァイオリンがきちんときこえないのはダメ

② 女声歌手のヴィブラートほど非音楽的なものはない

③ 変奏曲は嫌い

④ モーツァルトの《フィガロの結婚》では,第2幕のスザンナのアリア「おいで,お膝をまげて」が一番好き。

  ところが,④で宇野さんが一番好きな演奏として挙げるのはクレンペラー盤で歌っているレリ・グリストのものだが,聴いてみるとパッとしない。一般論と具体の演奏が一致しない例の一つである。

 

 

 さて,宇野さんは言ってないと思うが,最近の演奏(指揮者)の傾向について思うのは,音色やテンポの変化にはあまり興味がなく,ピリオド奏法をどう取り入れるかと強弱の付け方にばかり目が向いているように思う。

 そのうち,強弱について気になる演奏が多い。ラトルあたりが流行らせたように思うのだが,急に音を弱めてクレッシェンドさせたり,波状攻撃のように短い間隔で強弱を繰り返したり。どうも,音楽がせき止められるような感じがして,聴いていて気分が悪い。

 また,これもラトルがよくやるのだが,ほとんどの人が音を区切って演奏するところをダラダラとつなげて演奏させるのも嫌いだ。不良がズボンを引きずりながらダラダラと歩っているようで,気味が悪い。

 テンポについて言うと,曲想に逆らうようなテンポ変化で他人との違いを示そうとするような演奏が多いように思う。これも,音楽そのものの力を弱めてしまう。

 

 

バレンボイムのブルックナー

 ダニエル・バレンボイム指揮シュターツカペレ・ベルリンブルックナー交響曲全集の一部(第4番,第5番,第8番,第9番)を聴いてみた。

 グラモフォンの最新盤(4796985)だが,国内盤は未発売。売れないと見られたのだろう。レコード芸術では5月号の「View points」で採り上げられており,その前にも海外盤REVIEWでトップページで採り上げられている。レコード芸術は2015年6月号でバレンボイムを特集していて,日本で人気がないことを嘆くような内容だったので,編集部にバレンボイムの大ファンがいるのだろう。

 確かに,指揮者バレンボイムはよく分からない。今回聴いてみて一層謎だなと思った。ピアニストとしては評価している。特に,モーツァルトベートーヴェンは絶品だと思う。しかし,後期ロマン派になると,テクニックがかなり怪しくなるが。

 

 ブルックナーだが,ベルリン・フィル盤(テルデック)は全集を買った。ベルリン・フィルだから買ったのだが,さっぱりピンと来なくて,1度聴いたきり,ほとんど聴いていない。

 新盤はどうか。レコ芸では,バレンボイムブルックナーが日本で人気がない理由の一つとして,テンポを揺らすことを挙げている。確かに,ヴァントなどのブルックナーを信奉する人たちからはそうかもしれないが,それだけではないように思った。

 ブルックナーが苦手な人(自分もそうだ)は,ヴァントみたいなブルックナーが大嫌いだと思う。朝比奈はまだ聴ける。男の色気みたいなのがあるから。ヴァントはダメ。色気のかけらもない。で,聴くなら,ロマンティックに自由に演奏する方が聴ける。そういう意味では,ブルックナー嫌いに受け入れられる余地がありそうだ。

 しかし,バレンボイムブルックナー(実は,ブルックナーに限らないのだが)を聴くと,どうも違う。テンポが揺れるのはいい。でも,その揺らし方が問題なのだ。

 揺らし方が不自然なのだ。何でここで速くするの?みたいなのが続くのである。生理的に合わなくて,気分が悪くなるのだ。こちらの感覚とまるで正反対なような感じ。曲想に合ってないと思うのだが。

 テンポだけでない。金管を朗々と鳴らしてほしいところで抑えてしまったりすることも多い。欲求不満になる。クライマックスの捉え方がどうも違うように思う。往年の巨匠と言われるような人たちなら決して逃さない山場で,音量を抑えてしまうのだ。

 また,シュターツカペレ・ベルリンだと目立たないのだが,ベルリン・フィルとの以前の録音などを聴くと気になるのが,響きが雑然として整えられていないこと。旋律を弾いているパートに対して,内声部の弦楽器の扱いが雑で音が大きい(コリン・デイヴィスなんかもそうだった)ので,音のボディーがしっかりしていない割にうるさいのだ。

 あの指揮ぶりもヴィジュアル的によろしくない。アシュケナージなんかもそうなので,ピアニストに特有なのかと思うのだが,肘が曲がらなくて動きが硬い。見なければいいだけだが,見ちゃうと辛い。

 

 今回のブルックナー,聴く前は期待したのだが,今回も(バレンボイムブルックナーも)好きにはなれなかった。大いに時間を無駄にしてしまった。

 

 

辞めた人は物を言ってはいけないのか

 全くふざけた話だ。

 文部科学省事務次官の前川喜平さんの一連の発言について,菅官房長官をはじめとする内閣の関係者などが,辞めた人間は何も言うな,あるいは辞めた人間の言うことは信じられないといった発言を繰り返している。安倍総理も,「私に確認に来ればよかった」とか言ったらしい。

 これはまさにブラック企業の論理,いじめっ子あるいはいじめを防げ(が)なかった学校や教師の論理である。

 辞めないと言えないから,辞めてから言うのだ。いじめやパワハラで悲劇が起きたときに,社長や校長などが「言ってくれていれば…」なんて言うか?

 バカか,お前たちは。

 それに,辞めたからといって信憑性がなくなるということは,ない。むしろ逆だろう。そんなことも分からないのか,というか分かってて言ってるのだろうが,世間みんな分かってるということでもある。世間をなめている。

 

 今回の話は,みんな信じる・信じないどちらかに偏りすぎていて,公平中立で信じるに足りることを言う人はほとんどいない。しかし,安倍総理,菅官房長官やその取り巻き,右寄りのマスコミ・評論家などは,前川さんの個人人格攻撃ばかりで,言うことの信憑性は相対的に低いと言わざるを得ない。

 

 そもそも,前川さんが嘘をつく必要はない。というか,嘘をつくのはリスクが高すぎる。言うことに一つでも嘘があり,それがバレれば全てを否定されることにつながるからだ。だから,少なくとも言っていることは本当だろう。

 

 もう一度言う。辞めたから言えるのだし,辞めた人の話だから信用できるのだ。

 だいたい,前川さんを事務次官に任命したのは誰なのだ?

 

 これ以上は書かないが,問題の本質は,前川さんの発言の真偽自体ではない。それも国民は分かっている。一国を預かる者が,世の中をなめてはいけない。

 

 

ドイツ・グラモフォンのジャケット

 今年に入ったくらいから,ドイツ・グラモフォンのジャケットデザインが昔のものに戻ったようだ。全部ではないが。

 すなわち,例の上4分の1くらいに黄色い額縁のような曲名と演奏者名を大きく書いたものを出すスタイルのことである。

 グラモフォンといえば,廉価版や組物などを除いて基本的にはこのデザインだったので,すぐグラモフォンと分かったし,いかにも老舗っぽくてよかった。しかも,演奏者の写真を単に載せるのでなく,きれいな絵画などを使って,見た目がとてもよかったのだ。

 ところが,21世紀に入って数年経ったくらいからだと思うが,伝統のデザインをやめて,演奏家の写真にロゴマークを小さく入れるだけというスタイルに変わってしまった。

 もっとも,再発物はむしろオリジナルのデザインに戻す傾向が強くなったので,昔のデザインもよく見かけはするのだが,新譜は基本的に新しいつまらないデザインで,何とも残念だった。

 

 それが,今年あたりから元に戻ってきたのである。大歓迎だ。しかも,演奏家の写真ばかりでない凝ったデザインも目にするようになってきた。

 

 ジャケットデザインの変更と呼応するかのように,録音の傾向も変わったなと思っていたのだが,こちらはまだ相変わらずのようだ。

 このところ,特にピアノ曲で顕著なのだが,甘ったるくムード音楽のような録音になってしまっている。

 例えば,出たばかりのポリーニショパンで比べると,はっきり分かる。

 最近出たのは,後期作品集ということで,国内盤は今年の2月1日に発売された(UCCG-1753)。2015年から2016年にかけて,ミュンヘンのヘルクレスザールでの録音。ポリーニのいつもの録音会場である。バランスエンジニアはベテランのクラウス・ヒーマン。これに舟歌Op.60が入っているが,この曲は以前にも録音していた。

 舟歌の旧盤(UCCG-6231)の方は,1990年に同じヘルクレスザールで録音されており,バランスエンジニアはギュンター・ヘルマンスだった。

 この2つを聴き比べてみると,とても同じホールで同じ人が弾いたとは思えないほど音の傾向が違う。旧盤は,カチっとした固い音で,ポリーニだとすぐ分かる音になっている。一方,新盤は,残響が多く,音は残響に埋もれ,最近のグラモフォンのムード音楽ぽい音になっている。もやもやしていて,個人的には好きではない。

 演奏自体は,好きなのは旧盤の方だが,新盤も一筆書きのような演奏で(テンポも新盤の方が速い),悪くはない。

 ショパンは単発で出ているものだが,ようやく完成したベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集は,数十年かかってしまったということもあるが,初期のものと後半のものでは録音の傾向が違いすぎて,違和感でいっぱいであった。

 この音の傾向は,これからどうなっていくのだろうか。オーケストラも含めて,もう少ししっかりした録り方をしてほしいなと思う。もっとも,この傾向はグラモフォンだけではないようにも思うのだが。

 

 

『キン肉マン』完璧超人始祖編完結

 平成23年11月から週プレNEWSで連載が続いていた,『キン肉マン』完璧超人始祖編が,やっと完結した。長かった。

 このダラダラした長さは,Ⅱ世でも感じたもので,Ⅱ世は耐えられずに途中で読むのをやめたのだが,こちらは何とか最後までお付き合いできた。

 Ⅱ世以降,マンガの絵は非常に精緻になり,初期のキン肉マンとは,とても同じ人が描いてるとは思えないほど立派なものになっていた。しかし,それで面白くなるかというと必ずしもそうでないのが難しいところだった。

 

 初期のキン肉マンを知っていて,そちらも愛してやまない人からすると,絵と舞台背景が精緻かつ立派になるにつれ,だらけて面白くないと思ったのではなかろうか。

 まだ全部コミック化されていないので,最終的に何巻になるか分からないが,38巻から始まって,60巻は下らないはず。

 だらけて感じるのは,セリフが長いことと,絵が立派で1つのコマが大きいせいかと思う。あんなに喋りながら闘えるのか!と突っ込みたくなるし,絵が精緻すぎて,かえってアップのところではどういう状態か分からないことがよくあった。

 まれにキン肉マンがふざけるシーンが出ると非常に浮くし,「友情」を振りかざしたりして立派なことを言うと何だか白けるという悪循環もあった。

 ネメシス戦の最後も取って付けたような終わり方でおかしい。さすがにあれはないと思う。

 最後が,キン肉マンの闘いでなく,悪魔将軍(ゴールドマン)の闘いだったというのも異常だった。尻切れトンボ感が強いし,これでは誰が主人公だか分からない。本当は,悪魔将軍が負けて,その後にザ・マンとキン肉マンの闘いを予定していたのが,長くなりすぎたので打ち切ったようにも思える。ネプチューンマンも,何をしに出てきたのか分からない。

 

 文句ばかり書いたのは,キン肉マンを愛するが故。

 最後に何か屁理屈を付けてまた復活すると思っていたロビンマスクが復活せず,全く忘れられたように終わってしまったのも意外。おそらく,次のシリーズのどこかで復活するのだろうが。

 相変わらずラーメンマンは強く,テリーマンは口ばかりで弱かったのが印象に残るが,完璧超人始祖の面々は,ネメシスとサイコマン以外はあまり印象に残らなかった。ザ・マンは,悪魔将軍とは,武道のお面と防具を脱いで闘うべきだったと思う。

 ロビンマスクなどが最後に復活しなかったのも,次のシリーズへの布石かもしれないが,残念。

 それと,これまでのシリーズでは,どこか切なく,ホロリとさせるエピソードがあちこちに挟まっていて,強い印象を残したものだが,そういうものもほぼなかった。

 

 次のシリーズでは,テンポのいい展開と,涙なしに読めないようなエピソードの挿入を期待したい。絵は多少雑でもいいから,ストーリーで勝負してほしい。